令和七年四月上旬 栃木県鹿沼市の姫宮神社に参拝しました。

大永年間(1521-28)
弘化四年(1847)彫刻完成
彫師 石塚吉明 高野常吉
御祭神 稲田姫命

こちらも透明波板張りの覆屋。

しかし 下に少し隙間がありました。

右面

胴羽目は須佐之男命八岐大蛇退治。

老夫婦と娘が泣いていた。

「お前たちはなぜ泣いているのか」

須佐之男命が尋ねると 老父は答えた。

「私の娘は八人いましたが 身一つに頭が八つ 尾が八つある八岐大蛇が毎年一人ずつ食べ 今日は最後の娘 稲田姫が食べられてしまうのです」

そこで 須佐之男命が酒を八つの瓶に満たして待っていると 八岐大蛇がやって来て酒に頭を突っ込んで飲み干して泥酔してしまった。

その隙に須佐之男命は大蛇を十拳剣で切り刻んで退治した。

背面
背面の波板は透明度が高く 波の凹凸の具合がちょうど良かったので 波板越しでも結構綺麗に撮れました。

この胴羽目はなんでしょう?多分 日本神話の一場面と思います。

なんか偉そうな人。

波板越しには神功皇后かなと思いましたが これは多分男性でしょう。

ひざまずいて松明を差し出す人。

右手前の人が持つ幟旗には日月紋があるので この偉そうな人が天皇家の誰かという事は間違いないと思います。

この人の顔がすごく気になります。

ただの付き人とも思えません。

石塚吉明という人はお初だと思いますが 個性的な人物の造形にシビれます。

左面

胴羽目は応神天皇誕生です。

三韓征伐を成功させて凱旋帰国した神功皇后。

神功皇后を補佐して三韓征伐を成功に導いた 武内宿禰。

神功皇后は腰に石を巻いて 遅らせていた皇子出産を筑紫の地で果たします。

応神天皇を抱く武内宿禰。位置的にちょうど応神天皇は見えません。

覆屋の壁と御本殿がもう少し離れていたら もうちょっと良い角度で撮れたのですが。

それでも 石塚吉明の妙技を十分に堪能する事ができました。

刺青師・龍元
040(2025.05.29)
コメント
onijiiです。
皆さんいい顔してますねえ。
表情と木目に口元が緩みます。
喜怒哀楽を表現する技量が
素晴らしいですね。
背面は武内宿禰宝珠を得る?
と記してました。
リスト訂正しときます。
ありがとうございます。
そうなんですよ。最初は中央の人が神功皇后かなと思ってたんですが、どうやら男性だし、なら武内宿禰かと思いましたが、差し出されているのが松明なので ???? となりました。
近所の神社や山車にこの人の作品が残されているらしいので、近い内に拝観したいと思います。