彩色彫刻画題不明 [浅間神社] 栃木県

浅間神社本殿 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年三月吉日、栃木県佐野市の浅間神社に参拝しました。

浅間神社鳥居
浅間神社拝殿

御由緒

弘長二年(1261)創建
御祭神 木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)他七柱
南向き


本殿は結構高い位置にあります。彩色が綺麗ですが、ちょっと光沢があり過ぎかな。 〜追記(2021.08.12)先日、宮司さんから連絡があり「日光東照宮に合わせて塗り替えたばかりなので、光沢が出過ぎていたのでは」との事でした。追記終わり〜

浅間神社本殿

御本殿右面。

浅間神社本殿

胴羽目。画題は分かりません。中国系ですかね。 〜追記(2023.02.21)これは豊玉姫の出産を覗き見る彦炎出見尊の様です。一魁斎さんにご教示いただきました。追記終わり〜

東面胴羽目

脇障子は孔雀。

孔雀

御本殿背面。

浅間神社本殿

胴羽目。これも画題は???

背面胴羽目

同じく佐野市の 浅田神社 にもそっくりな構図がありましたね。

浅田神社胴羽目
栃木県佐野市浅田神社胴羽目

御本殿左面。

浅間神社本殿

胴羽目。これも画題は???です。 〜追記(2023.02.21)これは彦炎出見尊の前に現れた塩筒老翁が用意した小舟で海神の宮に向かう場面の様です。一魁斎さんにご教示いただきました。追記終わり〜

西面胴羽目

西側の脇障子は雌の孔雀が雛に餌をやっている所の様です。

孔雀

ぬおおおお!結局何も分かりませんでした。多分、全部中国の〇〇演義系だと思うのですが。。。  

〜追記(2023.02.21)三面とも日本神話の様です。詳しくはコメント欄をご覧ください。追記終わり〜

刺青師・龍元

044(2020.03.23)

コメント

  1. より:

    こちらの神社も浅田神社も、俵藤太こと藤原秀郷と関連が有るようなので
    内容はそっち系だと思って調べていましたが、未だ辿り着けておりません
    というか、中国系でしたか。
    龍元さんに期待をしていたのですが。

    下記リンクは藤原秀郷関連が記載されております。
    https://tasogarekowai.blog.ss-blog.jp/2015-10-02

    • 龍元 より:

      いや、中国系というのはあまり根拠ありません。浅田神社の胴羽目が三面とも中国風だったから、こちらもそうかなと考えました。こちらの側面2面は日本図柄でもあり得そうですね。
      リンクありがとうございます。記事を2、3読みましたが、なかなか面白いサイトですね。

  2. 一魁斎 より:

    おはようございます。
    胴羽目の彫刻ですが、恐らく三面とも日本神話からのようで、右側面は豊玉姫の出産を覗き見る彦炎出見尊(火遠理命)だと思われます。描写は大幅に異なりますが、葛飾北斎の絵本に似たものがあります。https://blog.goo.ne.jp/caneteregardepas/e/f1687c61091132bdf892df6e0a91713b

    左側面は、海幸彦・山幸彦の説話で彦炎出見尊の前に現れた塩筒老翁(塩竈明神)が用意した小舟で海神の宮に向かう場面と見られます。

    また、最後の背面は断定はできませんが日本武尊が西征の際に巨大な悪魚を退治したという伝承があり、それに関する場面の可能性があります。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E6%A8%93

    • 一魁斎さん おはようございます。

      なるほど右面は豊玉姫の出産を覗き見る彦炎出見尊ですか。それで間違いなさそうですね。職業柄、北斎の絵は大体目を通しているのでその絵は見た事がありますが、その場面だとは思い至りませんでした。

      左面は彦炎出見尊繋がりなのですね。詳しく調べてみます。

      背面の怪魚については、近隣の社寺でも似た様な彫り物が散見されていて、「日本武尊が悪魚を退治した場面」というのを含めていくつか候補が上がっていますが、決定打に欠けている所です。

      ご教示ありがとうございます。さすがですね。

      ところで、一魁斎さんは彫師の系譜についてもお詳しいでしょうか。以前、ここの神職の方と話をした事があるのですが、どこの系列の彫師か知りたがっておいででした。

      • 一魁斎 より:

        ご返信有難うございます。
        何分にも自分の方は宮彫めぐりを始めたのが去年の春からと日が浅く、彫師を意識して鑑賞する段階には至っておりませんので軽々にはお答えはできません。

        なお、彫師の系譜に詳しい方がされています下記のブログ記事の中では特定とまでは行かないものの、ある程度の推定がされていますので、ご参考になりましたらば…。https://architects.blog.jp/archives/11287660.html

        • そうですか。私も以前、彫師の系譜に興味がありましたが、とんでもない底無し沼だという事に気付いて、今は案内板や市区町村・神社の公式サイトなどの記述を丸写しするのみです。

          ありがとうございます。リンクを神職さんに伝えてみます。

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