難解画題解明の糸口になるかも [甲波宿禰神社 其の一 拝殿] 群馬県

向拝の龍 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和四年六月中旬 群馬県渋川市の甲波宿禰神社かわすくねじんじゃに参拝しました

甲波宿禰神社鳥居

宝亀二年(771)創祀
天明三年(1783)浅間山噴火で社殿が焼失
天明五年(1785)現在地に遷座再建
主祭神 速秋津彦命はやあきつひこのみこと 速秋津姫命はやあきつひめのみこと

甲波宿禰神社拝殿
甲波宿禰神社拝殿向拝

向拝の龍

向拝の龍

目玉が描いてあります

向拝の龍

木鼻の獅子 阿形

木鼻の獅子

吽形の口も僅かに開いていますね

木鼻の獅子

海老虹梁の龍もお見事

海老虹梁の龍

こちらの龍は木目を活かした目玉の様に見えますが よく見るとやはり木目とは違う場所に墨で目が描いてありました

海老虹梁の龍

右側の海老虹梁です

海老虹梁の龍

精悍な顔つきの龍 に見えます

海老虹梁の龍

が こちらから見ると パンチを喰らった瞬間のボクサーの様な顔

海老虹梁の龍

手挟みには葡萄に栗鼠がありました

葡萄に栗鼠

子孫繁栄の吉祥図柄と言われます

葡萄に栗鼠

脇障子には 米俵を担いで本を読む人物の彫り物

二十四孝の仲由か?

米俵の結び方の見本になりそうな程に 丁寧に彫られています

二十四孝の仲由か?

裏側も手を抜いていません

二十四孝の仲由か?

俳優でよく似た人がいますが 名前を思い出せません

二十四孝の仲由か?

これは二十四孝の仲由ちゅうゆうで間違いないと思うのですが 反対側の脇障子を見るとどうなのか

二十四孝の仲由か?

反対側の脇障子は 玉座に座った偉そうな人

玉座に座る偉そうな人

実はこの人には見覚えがあります

孔子か?

埼玉県神川町の阿保神社の胴羽目に よく似た彫り物があるのです

↓米俵を担いだ人と玉座に座った偉そうな人

麒麟
埼玉県神川町阿保神社胴羽目

↑麒麟がいるのでコレは孔子関係の話かな〜 なんて事を彫刻巡りの師匠と話していましたが 二十四孝の仲由は孔子の弟子です おお!なんか繋がって来たぞ‼︎ コレは孔子なのか?

孔子か?

松山ケンイチに似ている様な気がします

孔子か?

裏側も丁寧に彫られています

孔子か?

御本殿にも立派な彫り物がありましたが 写真が多くなったので また次回紹介します

甲波宿禰神社拝殿

刺青師・龍元

085-01(2022.07.01)

コメント

  1. より:

    彫刻巡り病 と 画題解読病 私も同じ症状ですが、龍元さんは凄いですね。
    脇障子の画題解明、ゴールは近そうですね!!
    海老虹梁の 龍と波、手挟みの 葡萄に栗鼠 は素晴らしいですね、これだけでも見に行く価値はありますね、この気持ちも 彫刻巡り病 の人にしか分からないのでしょうね。

    • 「孔子 仲由」で検索すると「二十四孝」で知っている仲由とはまるで違った人物像が浮かび上がりますね。よりハードボイルドな感じで、彫刻にはマッチしてますが、肝心の元絵が見つかりません。色々な処で違う彫師が手掛けている訳ですから、必ずネタ元がある筈ですよね。

      蝦虹梁の龍と波。やっぱりこの波には要注目ですね。手挟みの葡萄に栗鼠も大きくて感動ものでした。

  2. onijii より:

    onijiiです。
    自分も葡萄に栗鼠見に行きたいです。
    米俵も素晴らしいですね。
    米俵は60kgですが、本を読むとは
    凄い力持ちですね。(笑)

    • 調べると仲由は孔子の弟子の中でも武闘派らしいですね。二十四孝で描かれる仲由は金持ちが食卓の前で泣いてるイメージですが。
      因みに私の祖母は終戦直後に闇市から米俵1俵を担いで帰って来たらしいです。食うや食わずの時代の人は凄いです。

  3. Shin-Z より:

    こんばんは。

    こちらは未訪でしたか!少し意外な気がします。
    脇障子の彫刻、全く見当も付きませんでしたが、仲由と孔子の可能性が高いのですね!仲由は裏(?)二十四孝の一人ですから彫刻は少ないですよね。私は稲敷市の大杉神社でしか見たことがありません。さすがとしか言い様がありません。本当にありがとうございます。私も元絵を探してみましたが見付かりませんでした。もう少し頑張ってみようと思います。

    • 裏二十四孝ですか!上手い事言いますね。私は準レギュラーとか補欠とか言ってました。

      この絵はここの他、阿保神社と氷室山神社と法峰寺山王堂にありますから、きっと元ネタがあるはずですね。私も引き続き探しますが、Shin-Zさんもお願いします。

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