波板に隠れしもの [神船神社] 栃木県

龍 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

刺青師・ 龍元をフォローする

令和七年四月上旬 栃木県鹿沼市の神船かぶね神社に参拝しました。

神船神社鳥居

治承元年(1177)創建
御祭神 磐裂神いわさくのかみ 根裂神ねさくのかみ

神船神社拝殿

正面

拝殿の中をのぞいてみます。

拝殿内部

立派な御本殿が鎮座していました。

神船神社御本殿

扉脇には龍の彫り物。

正面扉脇の龍

中備も龍です。

向拝の龍

なかなかシャープな龍です。

向拝の龍

辻褄の合わない造形の彫り物を目にする事がありますが この龍はデッサンに誤魔化しが無く 素晴らしい造形です。

正面扉脇の龍

右面

覆屋は透明波板で囲われていました。

御本殿覆屋

波板越しに中をのぞくと こんな感じ。

神船神社御本殿

見えない事はないですが 彫刻マニアとしては やはりもっとハッキリ見たいところです。

幸い 覆屋の下部には開口部がありました。

神船神社御本殿

上の方から視線を感じます。

力神

大瓶束に力神さまが鎮座していました。

力神

胴羽目は太真王夫人たいしんおうふじん

玉巵弾琴

太真王夫人は支那列仙の1人。

玉巵

西王母の娘で玉巵ぎょくしと言います。

玉巵弾琴

一絃琴を弾ずる毎に沢山の鳥が飛来し 時に白龍に乗り四海を遊行するといいます。

玉巵弾琴

脇障子は 鉄椀から龍を召喚する陳楠仙人ちんなんせんにん

陳楠仙人

旱魃の時 日照りに苦しむ民衆の為に 龍を呼び出し雨を降らせたといいます。

陳楠仙人

背面

背面には残念ながら 開口部がありませんでした。

神船神社御本殿

胴羽目は 二十四孝から。山で虎に出くわし「私を食べて お父さんを助けて」と天に祈った楊香ようこうです。

二十四孝 楊香

左面

波板越しにはこんな感じ。

神船神社御本殿

開口部から。 そりゃぁ直が良いに決まってます。

神船神社御本殿

力神さま。

力神

胴羽目は高砂たかさごです。

高砂

お前掃くまでわしゃ九十九まで熊手

高砂 尉

共に白髪の生えるまで。。。

高砂 嫗

脇障子。

林和靖

鶴がいて 童子が餌を持っているといえば 梅妻鶴子の林和靖りんなせい

林和靖

横から見ると ガハハ という感じですが 前から見ると割と上品な老人に見えます。

林和靖

巻物を持っている というのが少し引っ掛かります。もしかしたら林和靖ではなく 鶴仙人かも。


YouTube 画面の設定⚙️で画質を調整してください

近隣に似た感じの人物彫刻が彫られた神社がありました。こちらも合わせてどうぞ。

刺青師・龍元

038(2025.05.23)

コメント

タイトルとURLをコピーしました