令和四年九月上旬 栃木県日光市の三光神社に参拝しました
長享年間(1487-89)下総国香取神社より勧請創建
嘉永四年(1851)社殿を奉建した旨の棟札あり
御祭神 経津主命
覆屋は上部が格子状になっていますが 壁が高めで前方からのみ 直に鑑賞する事が出来ます なので脚立か如意棒が必需品です
立派な御本殿がありました
うっかり写真を撮り忘れましたが 向拝の龍は近隣の厳島神社の龍にそっくりです
脇障子は 天台山の国清寺にいたとされる伝説の風狂僧 寒山拾得のうちの寒山
右面です
海老虹梁は波
胴羽目は太真王夫人こと 玉巵です
「太真王夫人は支那列仙の一なり 王母の少女玉巵なり 一絃琴を弾ずる毎に 即ち百禽飛来するという 時に白龍に乗り周く四海を遊行すという」斎藤隆三『画題辞典』
お目々が可愛らしい
背面です
これと似た感じの彫り物を見た事があります
全く同じではありませんが 近隣の厳島神社の胴羽目↓に似ていると思います
厳島神社と同じ様に 侍女が持っている花は 花びらが尖っているので桃です
なので これは不老不死の仙桃(蟠桃)を管理する西王母ではないか と思います
左面
躍動感のある海老虹梁の波
覆屋左面にはかなり大きな節穴がありました
右面背面は上から見下ろす感じでしたが 浮き彫りは見る角度で印象が随分と変わってしまうので 真横から鑑賞出来るのは嬉しいです
梅を妻 鶴を子の様に愛した 林和靖
童子が持っている鶴の餌(多分)が どうしてもアップルパイに見えてしまいます
脇障子は寒山拾得の拾得
近隣の厳島神社と画題や細かい意匠が似ているし、造営年もこちらが1851年、厳島神社1853年と近いので もしかしたら同じ人なのかな〜なんて想像します
この辺りは覆屋で護られた御本殿が多い様ですが 覆屋の中は窓があってもやはり暗いです
だいぶ陽が傾いて来たので この日はここで切り上げました
刺青師・龍元
126(2022.11.02)
コメント
onijiiです。
上品な印象を受けますね。素晴らしいです。
脚立は愛好家ならではの道具ですね。
使い始めた頃はドキドキしてましたが、今は
平気になりました。(笑)
上品という言葉はピッタリ来ますね。次回から使わせて貰います。
如意棒に比べると脚立はなかなか敷居が高いですよね。以前うっかり脚立を抱えて撮影許可を貰いに行ったら、思い切り怪訝そうな目で見られました。以来、撮影許可を貰う時はスマホ片手に、いかにも気軽に行く事にしています。