令和五年七月上旬 栃木県宇都宮市の密嶽神社に参拝しました。
羽黒山神社から徒歩3分のところにあります。山頂と書いてありますが 標高的には羽黒山神社より低い感じです。
寛延三年（1750）全焼
宝暦二年（1752）拝殿再建
拝殿と覆屋を兼ねた社殿です。宇都宮の歴史と文化財 には宝暦二年に拝殿再建となってますが この覆屋は鉄骨で組まれているので 当時の拝殿はもう無いのでしょう。御本殿もその頃の造営でしょうか？
覆屋側面背面は 粗目の金網で鑑賞しやすいです。
縁下を見ると かつては雨ざらしだった様です。脇障子は欠損。
胴羽目は農耕図の様です。
人々が懸命に働く姿。右端の大木には願主の小林さん兄弟か親子か あるいは全くの他人でたまたま同姓だった二人の銘。
人物一人一人は小粒ですが 細かい部分まで表現されています。
かつては彩色が鮮やかだったのだろうと思います。
背面です。
背面も農耕図。
遠目には キャベツでも転がっているかの様に見えますが ちゃんと顔が描かれているので 人間と分かります。
楽しそうに田植えをしています。
やはり かつては雨ざらしだったのでしょう。右面に比べると背面は屋根が低く張り出しているので 人物の表情がよく残っています。
木鼻の獅子。
ピカチューみたいです。
妻壁には鶴。虹梁には「石塚モト子好き42年10月8日（YS)」の落書き。落書きはもちろん言語道断ですが 半世紀以上もの間 名前を晒され続けているモト子さんご本人が知ったらどう思うか。
左面胴羽目も農耕図。
決して超絶技巧というのではありませんが どの人物も生き生きとした造形で 働く喜びを伝えてくれます。
素晴らしい神社でした。
刺青師・龍元
074（2023.07.19）
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