跋折羅と宮毘羅と安底羅と摩虎羅 [不老山布田薬王寺本堂 其の三 内陣] 千葉県

不老山布田薬王寺本堂内陣 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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[不老山布田薬王寺本堂 其の二 外周軒下欄間]の続きです

写真を撮る許可を貰って内陣に入ると 素晴らしい彫り物が所狭しと飾られていました

まず左右の欄間から行きます 窓際に見えるのは前回紹介した軒下の欄間です

不老山布田薬王寺本堂内陣

唐獅子牡丹

左側の手前から

唐獅子牡丹

唐獅子牡丹ですね

唐獅子牡丹

獅子の子落とし

唐獅子牡丹

右側の1番手前

唐獅子牡丹

ピンボケになってしまいました 中は薄暗いです

唐獅子牡丹

獅子の子育て

唐獅子牡丹

十二神将

奥の壁 須弥壇の両脇にも欄間がありました

2枚の欄間に6人づつ 計12人いるので十二神将だと思います

十二神将

十二神将とは 御本尊の薬師如来と薬師経を信仰する者を守護するとされる十二尊の仏尊の事です 

十二神将

跋折羅ばざらとか迷企羅めきらとか一人ひとりにカッコいい名前があり 薬師如来の十二の大願に応じて 昼夜の十二の時 十二の月 または十二の方角を守るとされます 

十二神将

十二支にも対応していて これは頭に亥と戌の面を付けているので 宮毘羅くびら大将と跋折羅ばざら大将

十二神将

未は安底羅あんてら大将で 卯は摩虎羅まごら大将です 諸説あります

十二神将

って さも知っているかの様に書いてますが たった今 Wikipedia で調べました

昔 十二神将を彫りたいと思って 調べて下絵を作ったりした事がありますが 12人も彫るのは大変だし あまりにマイナーだからか 彫りたいというお客さんは未だ現れていません まだ募集中です

須弥壇

立派な須弥壇しゅみだんです 側面に彫り物がありました

須弥壇

写真で見る限り 4人います 暗かったし さすがに須弥壇の脇には近づけなかったので 肉眼ではよく見えませんでした

須弥壇側面

こちらには6人いるので もしかしたら あと2人隠れてしまっていて これも2枚で十二神将なのかも知れません

須弥壇側面

写真は遠くから望遠レンズで撮って パソコンで明るさを補正しています

阿羅漢

奥の壁の両窓側にも欄間があり こちらは羅漢さまです

伐闍羅弗多羅尊者

左側の欄間は 椀から龍を呼び出す羅漢さま

伐闍羅弗多羅尊者

右側の欄間

尊者

羅漢さまが 鳥を呼び寄せている様です が この鳥が少し変です

尊者

人間の手足が生えている様に見えます 頭に頭襟ときんを被っているので 烏天狗の類? 迦楼羅王かるらおう

鳥?

何にしても 何か説話があるのでしょう

妻飾りの彫刻

彫刻を充分堪能して 帰ろうとしましたが お寺の横の坂道からフと御本堂の屋根を見ると そこにも凄い彫刻がありました

本堂妻飾り

平埜惣吉作の軒下欄間に作風が似ている気がします

唐獅子

こんな感じで 彫り物が至る所に満載の御本堂でした

他にも手挟みや持ち送り 斗挾間や木鼻の彫り物があり 素晴らしい物ばかりでした

何より内陣に入れて貰えたのは嬉しかったです いつも入れるのかは分かりませんが 行ったら必ず事務所で確認してみて下さい ぜひ近くで観る事をお勧めします

刺青師・龍元

077-03(2022.06.09)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    内陣に入られたのですね。
    獅子の艶と陰影にゾクッときます。
    アップした顔や指先が素晴らしい。
    目を懲らしてしまいました。
    ありがとうございます。

    • まさに眼福ですね。
      中は暗いので写真ブレまくってしまって三脚が欲しかったですが、流石にそれは出来なかったので、床に置いて撮りました。人が見たらきっと「あの人は畳に這いつくばって何をやっているのだろう?」と思ったでしょう。

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