二代目後藤藤太郎の16 Arahats [長福寺大師堂] 千葉県

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プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年六月吉日、千葉県我孫子市長福寺の大師堂に参拝しました。

長福寺大師堂

御縁起

創建年代不詳
明治三十二年(1899)大師堂再建
彫師 二代目後藤藤太郎(葺不合神社案内板より)

向拝

向拝

唐破風懸魚は、上半身が菩薩または天女、下半身が鳥または鳳凰の姿で、美しい声で鳴くという「迦陵頻伽かりょうびんが」。笙を吹いています。

迦陵頻伽

刺青でも人気の図柄ですが、たまに天女と混同してしまっている刺青を見かけます。迦陵頻伽は足が鳥ですから、いわゆる天女とは違います。

その奥には「富士山」の彫り物。

富士山

最初に見た時には「富士と松」だと思ったのですが、拡大してみると松の幹だと思っていたものは、笠をかぶった旅人が休んで天を仰いでいる様にも見えます。気のせいかな。もっと別の角度でも撮ってくれば良かったのですが、写真はこれ一枚だけ。んんん、なんだろ。

松?

扉脇には「山鵲 さんじゃく」、上には「亀」の彫り物。

長福寺大師堂扉

向拝柱には「高砂」の彫り物がありました。

向拝柱 高砂

左面

長福寺大師堂

「十六羅漢」から五人の羅漢様。

十六羅漢

陳楠みたいな羅漢様は多分、「伐闍羅弗多羅尊者ばじやらほつたらそんじや」。

伐闍羅弗多羅尊者

右面

長福寺大師堂

こちらも「十六羅漢」から五人の羅漢様。誰が誰やら分かりません。

十六羅漢

背面

こちらは「十六羅漢」から六人の羅漢様。

十六羅漢

腹を割って仏を見せているのは、釈迦の実子である「羅怙羅尊者らごらそんじゃ」。手塚治虫のブッダではラーフラと呼ばれていました。

羅怙羅尊者

小さいお堂だと思いましたが、案外見応えがありました。

庇が小さいし雨晒しなので、大分劣化が進んでしまっていました。

刺青師・龍元

136(2020.06.29)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    題材名が分かる方をリスペクトします!
    なるほど16人いるんですね。
    当時のメモには「坊主多数」と書いてありました。
    お恥ずかしい。(笑)

    • 龍元 より:

      寺社巡りをしていれば自然に覚えますよ。
      画題解読の鍵の一つに人数があります。羅漢の場合は十六羅漢と十八羅漢が多いです。五百羅漢なんてのもありますが、これは数えてられないので、多ければ五百羅漢にしてしまいます。でも大抵の場合、多ければ自慢げに数が書いてありますね。鋸山日本寺の千五百羅漢は有名です。

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