令和二年六月吉日、千葉県我孫子市長福寺の大師堂に参拝しました。
御縁起
創建年代不詳
明治三十二年(1899)大師堂再建
彫師 二代目後藤藤太郎(葺不合神社案内板より)
向拝
唐破風懸魚は、上半身が菩薩または天女、下半身が鳥または鳳凰の姿で、美しい声で鳴くという「迦陵頻伽」。笙を吹いています。
刺青でも人気の図柄ですが、たまに天女と混同してしまっている刺青を見かけます。迦陵頻伽は足が鳥ですから、いわゆる天女とは違います。
その奥には「富士山」の彫り物。
最初に見た時には「富士と松」だと思ったのですが、拡大してみると松の幹だと思っていたものは、笠をかぶった旅人が休んで天を仰いでいる様にも見えます。気のせいかな。もっと別の角度でも撮ってくれば良かったのですが、写真はこれ一枚だけ。んんん、なんだろ。
扉脇には「山鵲 さんじゃく」、上には「亀」の彫り物。
向拝柱には「高砂」の彫り物がありました。
左面
「十六羅漢」から五人の羅漢様。
陳楠みたいな羅漢様は多分、「伐闍羅弗多羅尊者」。
右面
こちらも「十六羅漢」から五人の羅漢様。誰が誰やら分かりません。
背面
こちらは「十六羅漢」から六人の羅漢様。
腹を割って仏を見せているのは、釈迦の実子である「羅怙羅尊者」。手塚治虫のブッダではラーフラと呼ばれていました。
小さいお堂だと思いましたが、案外見応えがありました。
庇が小さいし雨晒しなので、大分劣化が進んでしまっていました。
刺青師・龍元
136(2020.06.29)
コメント
onijiiです。
題材名が分かる方をリスペクトします!
なるほど16人いるんですね。
当時のメモには「坊主多数」と書いてありました。
お恥ずかしい。(笑)
寺社巡りをしていれば自然に覚えますよ。
画題解読の鍵の一つに人数があります。羅漢の場合は十六羅漢と十八羅漢が多いです。五百羅漢なんてのもありますが、これは数えてられないので、多ければ五百羅漢にしてしまいます。でも大抵の場合、多ければ自慢げに数が書いてありますね。鋸山日本寺の千五百羅漢は有名です。