激珍不思議な貝甲図柄 [社号不明 薬師寺境内社] 長野県

鬼面 長野県
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和八年二月中旬 長野県佐久市の薬師寺に参詣しました。

薬師寺山門

ここのもう一つのお目当ては飯綱宮の左に鎮座する 社号不明の境内社。

薬師寺境内社御本殿

例によって ネット上では全く情報が見つかりませんでした。

薬師寺境内社御本殿

まあ古そうではあります。

薬師寺境内社御本殿

胴羽目はいくつもの貝が描かれた図柄。

貝

背面です。脇障子は失われています。

薬師寺境内社御本殿

胴羽目はこちらも貝。

他所で彫って現地で寸法調整をする時によく使われる手法の 縁取りを大きく取るタイプ。

貝

絵柄を彫り下げる沈み彫り(陰刻)の右面胴羽目に対して 背面胴羽目は絵柄を浮き彫りにしていて 右面とは作風も違う感じがします。

左面です。

薬師寺境内社御本殿

こちらもやはり貝が陰刻で彫られています。

貝

江戸中期の変態天才絵師・伊藤若冲が「動植綵絵 貝甲図」(国宝)というのを残しています。

「動植綵絵 貝甲図」

若冲の貝甲図から着想を得たのか 当時はこんな図柄が割と普通にあったのかは分かりませんが 何にしても貝のみがいくつも彫られた胴羽目は初めて見ました。激珍です。

薬師寺境内社

激珍図柄で満足して 駐車場に戻ってしまいましたが 念の為 前情報を確認すると 鬼面の見落としに気付きました。

まずは右側の鬼板。

鬼面

阿形ですね。

鬼面

角がありません。

鬼面

が やや上から見ると 頭頂部にかつて角があったと思しき穴が二つ開いていました。

鬼面

左側です。

鬼面

吽形です。

鬼面

こちらも角は欠損してしまったのだと思います。

鬼面

ちゃんと確認して良かった良かった。

鬼面

危うく 再訪しなければならなくなる所でした。でも 再訪もまた良いものなのですがね。

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刺青師・龍元

035-02(2026.07.13)

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