令和八年二月中旬 長野県佐久市の薬師寺に参詣しました。

ここのもう一つのお目当ては飯綱宮の左に鎮座する 社号不明の境内社。

例によって ネット上では全く情報が見つかりませんでした。

まあ古そうではあります。

胴羽目はいくつもの貝が描かれた図柄。

背面です。脇障子は失われています。

胴羽目はこちらも貝。
他所で彫って現地で寸法調整をする時によく使われる手法の 縁取りを大きく取るタイプ。

絵柄を彫り下げる沈み彫り(陰刻)の右面胴羽目に対して 背面胴羽目は絵柄を浮き彫りにしていて 右面とは作風も違う感じがします。
左面です。

こちらもやはり貝が陰刻で彫られています。

江戸中期の変態天才絵師・伊藤若冲が「動植綵絵 貝甲図」(国宝)というのを残しています。

若冲の貝甲図から着想を得たのか 当時はこんな図柄が割と普通にあったのかは分かりませんが 何にしても貝のみがいくつも彫られた胴羽目は初めて見ました。激珍です。

激珍図柄で満足して 駐車場に戻ってしまいましたが 念の為 前情報を確認すると 鬼面の見落としに気付きました。
まずは右側の鬼板。

阿形ですね。

角がありません。

が やや上から見ると 頭頂部にかつて角があったと思しき穴が二つ開いていました。

左側です。

吽形です。

こちらも角は欠損してしまったのだと思います。

ちゃんと確認して良かった良かった。

危うく 再訪しなければならなくなる所でした。でも 再訪もまた良いものなのですがね。
刺青師・龍元
035-02(2026.07.13)

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