司馬温公瓶割 [とある社 其の九] 関東

とある御本殿の向拝 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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ある時関東のとある社に参拝しました。

とある御本殿

脇障子は猛禽。ピンボケになってしまいました。

猛禽

胴羽目は唐子遊びです。

唐子

花は枝ぶりや蕾から察するに 梅でしょうか。桜ではないっぽいです。

唐子

車を曳く唐子。

唐子

無惨な頭になってしまった 車に乗っている唐子と 後ろで「行け〜!」と叫んでいそうな唐子。

唐子

車を曳く唐子は少し不満気。「掛け声はいいから 押してくれよ」

唐子
とある御本殿

正面扉脇は鯉の滝登り。

鯉の滝登り

正面から。

とある御本殿

兎ノ毛通しの応龍です。

応龍

唐破風下には 張果老の瓢箪から駒がありました。本来の張果老は ロバを畳んで箱に入れて持ち歩き 乗る時には水をかけて戻したそうですが 日本ではいつの間にか「瓢箪から駒」に結びついた と云われています。

張果老 瓢箪から駒

向拝中備の龍。

向拝の龍
向拝の龍

扉脇板 鯉の滝登り。

鯉の滝登り
とある御本殿

右面胴羽目は 司馬温公瓶割。

司馬温公瓶割

司馬光しばこうは中国北宋時代の儒学者・歴史家・政治家。

司馬光

司馬光が子供の時 水の入った大瓶で遊んでいて 友人が瓶に落ちた。

唐子

一緒に遊んでいた友人たちはオロオロするばかりだった。

唐子

司馬光は躊躇いなく 高価な大瓶を石で割った。

司馬光

おかげで友人は助かり 父親は叱るどころか司馬温公を褒め称えた という至極真っ当な話。

唐子

確かに司馬光は偉かったけど これで父親が怒ったら酷い親。人非人ですね。

脇障子は猛禽です。

猛禽
とある御本殿

残念ながら背面に胴羽目彫刻はありませんでした。

とある御本殿
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刺青師・龍元

058(2025.09.01)

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