七福神は国際派 [赤城神社] 群馬県

恵比寿天 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和六年十二月上旬 群馬県館林市の赤城神社に参拝しました。

赤城神社鳥居

拝殿に大きな彫り物はありません。

赤城神社

拝殿内部。

赤城神社拝殿内部

立派な御本殿が鎮座しています。

赤城神社御本殿

御本殿覆屋の窓には 先達の仕事の痕跡があります。

赤城神社御本殿覆屋窓

先達に倣って 外側は丹精込めて磨きましたが 内側は如何ともし難いです。

赤城神社御本殿

それでも なるたけ綺麗に写るところを探します。

右面

赤城神社御本殿

右面に胴羽目は2点。

胴羽目彫刻

左側は 琵琶を奏でる弁財天です。

弁財天

市杵嶋姫命いちきしまひめのみことと同一視される事もありますが 実はインドのご出身。

弁財天

何処かを指差す童子をたまに見掛けます。 大抵の場合 何を指差しているのかは不明です。

童子

右側の胴羽目は 恵比寿天。唯一の日本代表です。

恵比寿天

扇子を持って 踊っているのかな?

恵比寿天

背面

三間社なので 背面には3点の胴羽目がありましたが 窓からの距離が近過ぎて全体は収まりませんでした。

胴羽目彫刻

左側の胴羽目は 大黒天。

大黒天

大黒天は 大抵 何処かのお大尽といった風情ですが 故郷のインドではマハーカーラ(偉大なる暗黒)と呼ばれ かなり恐ろしいお姿。

Mahākāla

昔ヤンチャしてたけど 日本に移住してビジネスに成功して 現在はゆったりと構えた社長さん て感じですかね。

大黒天

童子があやすのは イタチ程の大きさはあろうかというネズミです。

童子

中央の胴羽目は 布袋尊。正確な出身地は不明ですが まあ今の中国のどこかでしょう。本名・釈契此しゃくかいし

布袋尊

この童子は本を広げて 布袋さんに何か尋ねている様な?「お師さん ピザ何にします?」

童子

「マルゲリータとペスカトーレのハーフ&ハーフがいいな」

布袋尊
胴羽目彫刻

その隣は 毘沙門天です。こちらもインド出身。

毘沙門天

弁財天は弁天さまと言いますが 毘沙門天は 毘天さまとか 毘沙天さまとか言わないのは なぜでしょう?

毘沙門天

左面

元々2点あった胴羽目が1点欠損したものと思われます。脇障子も欠損。

胴羽目彫刻

胴羽目は 三星(福星・禄星・寿星)の一人 寿老人ですね。

寿老人

福禄寿と寿老人は同一人物だとか 福禄寿はグループ名みたいな物で 寿老人はその内の1人だとかいう説もあります。

寿老人

何にしても道教の神様なので 今の中国の辺りのご出身だと思います。

童子

欠損したと思われる右側の胴羽目には 福禄寿か吉祥天がいたのでしょう。


七福神は結成当時は恵比寿天・大黒天・毘沙門天の3人だったとか。竹林の七賢人にあやかって7人になりましたが メンバーチェンジが激しく 現在のメンバーに落ち着いたのは江戸時代。 猩々や達磨さんがメンバーだった事もあったそうです。

私は見た事がありませんが。

刺青師・龍元

100(2024.12.20)

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