令和五年四月下旬 山梨県北杜市の三島神社に参拝しました。

弘安年間(1278-88)三嶋大社より勧請
御祭神 大山祇命

裏へ廻ります。

あれ⁉︎ なんか既視感があります。
ここは来た事あったっけかな? まるでデジャブの様な不思議な感覚です。

拝殿は見覚え無いしな。。。でもこの胴羽目見た事あるよ。。。

後で確認すると令和三年の十一月に参拝した甲州市の初鹿野諏訪神社↓に同じ構図の胴羽目がありました。

これは明らかに 一方が他方を参照したか 同じ下絵を参照したかでしょう。

痛々しい事に鼻がもげてしまってます。

もう一人の方も バチを持っていた筈の両腕が欠損しています。


大棟鬼板にはちょっとシャクれた赤鬼。

今まで色々な鬼面を見て来ましたが これは中でも鬼らしい鬼だと思います。

悪そうな顔をしていますが 悪魔感が薄い感じ。

桃太郎の話に似合いそうです。

背面です。

こちらも既視感があります。

甲州市の初鹿野諏訪神社↓の胴羽目。ほぼ同じポーズ。

でも彫ったのは違う人だと思います。

初鹿野神社と比べて少し落ちるかと思いましたが どうしてどうして中々味わい深い造形です。

唇がめくれていて 猿が笑ってるみたい。。。

と思ったけど これは口髭なのかな。かなり上過ぎだと思うけど。

まあ 何にしてもエラく楽しそうです。

大棟左側の鬼板には青鬼の面。

微かに青い顔料が残っています。

こちらは いくらか邪悪な雰囲気があります。

何十年何百年と魔を祓って来たのでしょうか。


胴羽目三面で竹林の七賢人。

甲州市の初鹿野諏訪神社↓の胴羽目と全く同じポーズ。

簫を吹く賢人。縦笛の口にあてる部分が欠損しています。

前の賢人を叩こうとしている様に見えますが 初鹿野諏訪神社の胴羽目を見ると これはどうやら二胡を弾いている手が欠損してしまった様です。

銘がありました。えらく仰々しい名前ですが 寄進者みたいですね。

それにしても 本当に楽しそうな賢者たちでした。仲間に入れて頂きたい。

刺青師・龍元
062(2023.06.05)
コメント
onijiiです。
竹林の七賢人は同じ構図ですね。
デジャブの理由が分かりました。(笑)
鬼面が特徴的ですね。素晴らしい。
是非とも現地に行きたいと思います。
早速リストに追加しました。
Onijiiさん おはようございます。
ここまで同じ構図は結構珍しいですね。造形技術的には初鹿野諏訪神社が上手いかなと思いましたが、総合的な表現力はこちらの方が上手いかも知れませんね。
鬼面も良いですね。ぜひ、直に鑑賞してみてください。