彫物師は石原某 [大山神社] 栃木県

菊慈童 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

刺青師・ 龍元をフォローする

令和五年 新年寺社彫刻巡礼の旅初日三社目 栃木県茂木町の大山神社に参拝しました

大山神社鳥居

建久八年(1197)創建
康暦二年(1380)現地に遷宮
明治二十七年(1894)拝殿再建
御祭神 大山祇命おおやまつみのみこと

大山神社拝殿

拝殿内部

大山神社拝殿内部

社殿の裏は雪が積もっている訳ではなく 崖をモルタルで固めてあります

社殿の裏

立派な御本殿がありました

大山神社御本殿

脇障子 これは脚が見当たらず尻尾がまだ魚の形なので 化け鯉の後期型に分類しておきます

後期型化け鯉

御本殿右面 胴羽目は菊慈童 

大山神社御本殿

慈童は穆王ぼくおうの寵愛を受けますが 官人の妬む所となり過失を嫁せられ流刑になります

菊慈童

哀れに感じた穆王は「具一切功徳慈眼視衆生 福寿海無量是故応頂礼」というを与え

慈童は忘れないように 偈を菊の下葉に記しました

菊慈童

その菊の葉の露が谷の水に滴って霊薬となり これを飲んだ慈童は仙人になりました

硯と墨

木鼻の麒麟が愛らしいです

麒麟

背面には竹に鶴の画が描かれていました

大山神社御本殿

左側の脇障子裏面には何やら墨書きが。。。

脇障子裏面

「彫物師 石原蔵○ 珍隆」 と書いてある様に見えます 石原家の流れの人でしょうか?

左面です

胴羽目は布袋尊と唐子

布袋さまって いつもだらしない感じですね

布袋さまは施しを受けた物を全部袋に入れて持ち歩いていたらしいですが 以前旅先で スーツケースを盗まれてゴミ袋に全財産を入れて持ち歩く人と出会った事があります

唐子の着物には柄が彫られています

左側脇障子は 鯉の滝登り


最近 神社の屋根の金属板が盗まれるらしいです

以前 公園の滑り台などの金属が盗まれる事件が頻発した事がありますが 神社の屋根が盗まれるなんて世も末だと思います

監視カメラには不審な動きをする私の姿がさぞかし沢山写っている事でしょう

刺青師・龍元

003(2023.01.10)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    左右が胴羽目で、背面に絵が描かれている
    のは珍しいですね。

    茨城県や千葉県でも神社の屋根が盗まれて
    います。これまで数ヶ所遭遇しました。
    罰当たりな輩がいるもんだと驚いています。
    きっと天罰が下ることでしょう。

    • onijiiさん こんにちは
      他人の物を盗むだけでも酷い話ですが、神社の屋根を盗むなんて言語道断です。「とって良いのは写真だけ、残して良いのは足跡だけ」です。本当にバチ当たりな輩がいるもんですよね。

タイトルとURLをコピーしました