令和四年九月上旬 栃木県鹿沼市の厳島神社に参拝しました
文明六年(1474)勸請
嘉永六年(1853)現社殿再建
御祭神 市杵島姫命 田心姫命 湍津姫命
正面
中を覗くと御本殿がありました。ぐるりとガラス窓が巡らされていて中は非常に明るいです。
左側脇障子は一絃琴を抱えた玉巵。弾いてないので玉巵弾琴と言ってはおかしいでしょうか。龍もいませんね。
向拝の龍
なかなか精悍な顔つきの龍です。
右側脇障子は鍾離権。北斎漫画には剣乗り仙人は上利劔となっているし 曲亭馬琴は鍾離権と上利劔を同じ仙人と認識していた様です。弟子の呂洞賓もこの術を使うのでもしかしたらこれは呂洞賓かも。
右面
縁下は亀と菊水。
海老虹梁の龍は丸彫りです
胴羽目は「一枝乃春」でしょうか
一枝乃春とは「南朝・宋の陸凱という人が 友人の范曄が住む長安に向かう使者に 一枝の梅の花を託す」という漢詩です。
『贈范曄』 『范曄に贈る』
折花逢驛使 花を折って 駅使に逢い
寄與隴頭人 寄せ与う 隴頭の人に
江南無所有 江南には 有る所無し
聊贈一枝春 聊か贈るよ 一枝の春
状況から推してこの人↓が陸凱でしょうか? う〜ん、風雅な事をする人がいたもんですな。
背面
これは何でしょう? 神様が三柱。三神には和歌三神・住吉三神・三貴神など沢山あります。この神社の御祭神も宗像三女神です。
判別には持ち物が決め手になるので 顔のアップはあまり意味が無いのですが とても良いお顔だったので一枚
〜追記(2022.11.10)これは左から豊玉姫命・彦火火出見尊・豊玉彦命の様です
豊玉姫命は彦火火出見尊(山幸彦)の妻で 山幸彦が 失くしてしまった兄の海幸彦の釣り針を探しに龍宮へやって来た時に結婚 豊玉彦命は豊玉姫命の兄です
元絵の詞書は何となく読めはしますが 全体として私には理解できません この三柱を御祭神に持つ神社がある様ですので 何か伝説があるのでしょう
それにしても 真ん中の神様が男神だったとは… 追記終わり〜
左面
これはどなたでしょうか?
女仙と言えば 西王母・玉巵・上元夫人あたりが思い浮かびます。
侍女が持っている花をよく見ると 花びらが尖っているので これは桃の花。するとこれは西王母という事になるのかな? でも帯の花↑は梅ですね。
海老虹梁の龍
超絶技巧という訳ではありませんが 人物の柔和な表情などは本当に素晴らしくて さぞかし名のある彫師の作品だと思います。
水曜日に帰国しました。昨日一昨日は時差ボケで 寝たり起きたり朦朧としてましたが 今朝はスッキリ起きる事が出来ました。本日から通常営業です。
刺青師・龍元
124(2022.10.29)
コメント
onijiiです。
優しいいい顔ですねえ。
うっとりします。(笑)
日光方面に行く際に再訪
しようと思います。
窓ガラスが汚れているのが難ですね。内側は拭けませんからね。でもガラス窓のお陰で埃も溜まらず、最低限の彩色もキレイに見る事が出来る訳なんですよね。
日光方面は彫刻が充実してますね。
背面の 基の画 の発見 凄いですね!!
龍元さんとは、同病人(彫刻巡り病、題目解明病)と思っていましたが
レベルが違い過ぎます。※褒め言葉です
私は胴羽目彫刻には敏感に反応しますが、お寺の欄間彫刻には反応しません
この病気は色々な症状がありますね、
治療は、彫刻巡り 、お互い健康的な病気?ですね。
これは比較的早く見つかりましたが、いつもは探し物には巡り合えず、心に引っ掛かっていた物が突然目の前に現れます。人のブログももちろんですが、実は暇が有れば自分のブログを何回も何回も眺めています。
人それぞれ好みがありますね。私は山車や神輿はほぼ興味ありません。というか、何処を見て良いのか分からないです。沢山見れば分かる様になるのでしょうが。山車や神輿が分かれば、彫師についても詳しくなるかも知れませんね。
この病気は詳しい事を人に話すと、間違いなくドン引きされます。