令和三年一月、埼玉県寄居町の稲乃比売神社に参拝しました。
植木がきちんと刈り込まれていて整った境内です。
御本殿正面。
向拝中備には子引き龍がありました。子龍が親龍に絡んでいます。
扉脇板にも龍。巻き毛の龍です。好みです。
右側の龍はトゲトゲ。
社殿は拝殿と本殿覆屋が一体になったタイプ。
御本殿右面。
胴羽目は二十四孝から大舜。両親に虐待されながらも尽くしたので象と小鳥が畑仕事を手伝ってくれました。
この人は誰だろう?初めて見ます。誰にしても舜が独りじゃないと知ってホッとしました。寄り添ってくれる人が居る時は、人は強くなれます。「舜!お茶の時間よ〜!」
脇障子には二十四孝から孟宗。真冬なのに筍が食べたいという母の願いを叶えようと、雪山で筍刈り。筍がありませんが、この後、天に泣きを入れると筍が生えて来るはずです。
御本殿背面。
この面は少し不思議です。二十四孝の郯子と楊香が一緒の画面に。。。
「やあ、初めまして。僕、郯子って言います。両親とも目が悪いんですが、鹿の乳が目に良いって聞いたんで、鹿の皮を被って鹿になりすまして乳を絞りに来ました。撃たないで下さいね。」
「ワシら、それどころじゃないんじゃ。虎に襲われとるんよ、見えんかの。ワシは腰抜けじゃが、楊香は親思いの良い娘じゃ。今、ワシの身代わりになろうとしてくれとるんよ。」
御本殿左面。
胴羽目は二十四孝から郭巨。貧乏な夫婦が母を養う為に口減らしに子供を埋めようとしてご褒美を貰う話。
埋められる筈だった子供がちょっと怖いです。ホラー映画のイットに出てくるピエロみたい。「僕を埋めようとしたね。。。」
脇障子は二十四孝から王祥。真冬の湖で裸になり、凍りついた水面を体温で溶かし魚を獲ったら、以後、毎年同じ場所に人の形が浮かび上がるという怖い話。おちん○んも忠実に再現。
彫り物はどれも上手くて、さぞ名のある彫工の作と思われますね。
刺青師・龍元
041(2021.03.10)
コメント
onijiiです。
変な胴羽目?なるほど!
構図に物語を感じます!!
楊香のお父さんの小指を立てた指先!!!
「お茶の時間よ~」、最高です。(笑)
「変な胴羽目」というのは言葉の使い方がおかしかったかも知れませんね。
背面胴羽目は、二つの場面をただ並べただけでなく、融合させてしまっているので不思議な構図だなと思いました。
楊香のお父さんの小指は気づきませんでした。
よく見てますね〜!