瀧夜叉姫
平将門の娘。元の名を五月姫(皐月姫)という。数々の伝承や説話があり、江戸後期には歌舞伎や人形浄瑠璃などでも人気を博した。
自らを新皇と称し、関東を制した父・将門が天慶の乱で討たれると、娘の五月姫は辛うじて戦乱を逃れた。
伝説 瀧夜叉姫
非業の死を遂げた父の無念を晴らす為に、五月姫は貴船神社へ丑の刻参りを行い、荒魂の加護を得て妖術を授かる。
一族郎党が滅ぼされた後、五月姫は如蔵尼(または如月尼)として仏道に励むが、謎の仙人・肉芝仙に妖術を授けられて、異母弟の将軍太郎良門と共にお家再興の野望を抱く、とする伝承もある。
蜘蛛丸や夜叉丸などの手下と共に、相馬の城にて朝廷転覆の反乱を起こしたが、最後には勅命を受けた陰陽師に倒され、改心して将門の元へ昇天した。
史実
伝説では妖術使いであるが、史実では将門の三女・五月姫は誅罰を逃れ仏門に入り、逃げ尼として生涯を終えたとされている。
茨城県つくば市では瀧夜盛姫と呼ばれ、塚がある。福島県磐梯市の恵日寺にある如蔵尼の墓碑には「瀧夜叉姫が将門の死後に再興を図ったが失敗し出家した」と記されている。
また、千葉県には如蔵尼が将門とその一門の菩提を弔って祀ったと伝わる将門神社がある。
刺青師・龍元