医者と仙人と詩人とマサル [山王神社 荘厳寺境内社] 栃木県

仙人の烏鷺 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和八年 新年寺社彫刻巡礼の旅 第十五社目 栃木県真岡市の山王神社に参拝しました。

山王堂

ここは荘厳寺の境内社です。

慈覚大師(794-864)により草建
康平年間(1058-65)再建
寛永年間(1624-44)現在の神社となる

山王堂

荘厳寺のサイトには「寛永年間に現在の神社となりました」とありますが 御本殿自体はもっと新しそうです。

珍しい事に屋根が石で葺いてあります。見た感じ軽石みたいな石です。

山王堂御本殿

向拝中備は山王神社らしく猿です。

猿

蚤取りをする姿が可愛らしい。

猿

右側脇障子の孔雀。

孔雀

現地では あんな所に置いてある達磨には全く気付きませんでした。

山王堂御本殿

胴羽目は 虎仙人 董奉とうほう

董奉

本職は医者ですが 病人からはお金を取らず 杏を植えさせたと言います。

董奉

実った杏を穀物と交換して 旅人や貧しい人たちに分け与えていましたが

董奉

その杏を狙う盗人を虎が噛み殺し 董奉が仙術で生き返らせた と伝わります

虎
山王堂御本殿

手挟みには山鵲さんじゃくがありました。梅に合わせてあります。鳥の横にあるのは椿でしょうか。

山鵲

縁下は水鳥です。腰羽目は雁?それとも鴨ですかね。鳥は難しいですね。

水鳥
山王堂御本殿

背面です。

山王堂御本殿

胴羽目は 仙人の烏鷺うろ。 烏鷺とは 黒いカラスと白いサギで 囲碁の事です。

仙人の烏鷺

囲碁の事を ただれるくき(斧の柄)と書いて爛柯らんかとも言いますが この話が元になっています。

こんな話です。

木こりの王質が山に入ると 二人の老人が碁を打っていました。

仙人の烏鷺

しばらく囲碁を眺めていると 老人の一人が「おい そこな 青年 帰らんのか」と言います。

仙人の烏鷺

気が付くと 斧の柄が腐るほど年月が経っていたのでした。

王質

王質は 二人が仙人だった事を悟ります。

山王堂御本殿

左面。

山王堂御本殿

胴羽目は 梅妻鶴子の林和靖りんなせい

林和靖

林和靖は妻子をもたず 庭に梅を植え 鶴を飼い いつも「梅が妻 鶴が子」といって笑っていました。

童子

留守中に客があると 童子に鶴を放たせて合図にしたと言います。

童子

行書が巧みで画も描いたが 詩を最も得意とした と伝わります。

林和靖
林和靖

脇障子は 桐の花に鳳凰です。

鳳凰
山王堂御本殿
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康平五年(1062)営造の鐘楼門。 修復を重ねて昭和二十七年(1952)に現在の姿になりました。

荘厳寺鐘楼

2階の梁の上で屋根を支える 力神さま。

力神

本堂側には 阿形の力神さまが鎮座していました。

力神

刺青師・龍元

015(2026.02.27)

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