壮麗なる超絶技巧!小林源太郎 [郷見神社] 群馬県

海老虹梁の龍 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年十月吉日、群馬県高崎市の郷見神社に参拝しました。

郷見神社鳥居

下里見諏訪山古墳の頂に祀られています。

郷見神社拝殿

御由緒

創建年代不詳
安政七年(1860)社殿再建
御祭神 建御名方命たけみなかたのみこと 月讀命つきよみのみこと 品陀和氣命ほんだわけのみこと 菅原道眞公すがわらみちざねこう
彫師 小林(熊谷)源太郎(1799-1861)


安政七年の再建との事ですから、源太郎晩年の作という事になります。

覆屋にはガラス窓がありました。ガラスがちょっと汚れてはいましたが、中は明るくて撮影には文句なしです。

郷見神社御本殿覆屋

御本殿左面

郷見神社御本殿

龍が巻きついた海老虹梁。手挟みには山鵲でしょうか。

海老虹梁の龍
郷見神社御本殿

胴羽目は二十四孝の一話・楊香ようこう。山で虎に襲われかけたが「父を助けて私を食べて」と楊香が天に祈ったら虎は行ってしまった、という話。

楊香

脇障子はおめでたい鶴亀。

鶴亀

御本殿背面

脇障子には裏側にも絵が付けられています。

郷見神社御本殿

松鶴。名工は松の枝も一味違いますね。

鶴

胴羽目は孔雀図。円山応挙を彷彿とさせます。

孔雀

亀。

亀

御本殿右面

脇障子は鶴亀。

鶴亀

胴羽目には二十四孝の一話・大舜たいしゅん。虐待されながらも継母に尽くしたら、象や鳥たちが畑仕事を手伝ってくれた、という話。

大舜
郷見神社御本殿
海老虹梁の龍
郷見神社御本殿

春秋の例祭には解放されるそうなので、タイミングが合えば源太郎晩年の彫り物を間近でじっくりと見たいです。

前宮合祀社殿

鳥居の脇には前宮合祀社殿というのがありました。合祀する前の御本殿という事でしょうか。中には4つの社があり、そのうちの二社に彫り物がありました。

前宮合祀社殿覆屋

側面窓は曇り硝子だったので正面から。

他の三社が八幡宮、月讀神社、諏訪神社だったので多分、これは天満宮です。

天満宮
天満宮

こちらは八幡宮。

八幡宮
八幡宮 

刺青師・龍元

449(2020.11.07)

コメント

  1. より:

    こちらの神社、賽銭箱近くに参拝者手帳の様な物が有ったので、彫刻を公開してくださいってな感じな事を記載した記憶が有りますが、春秋の例祭で公開しているんですね!!秋の例祭は10/3のようですが?春は調べられませんでした。

    • 龍元 より:

      さすが錺さん、早いですね!
      私もキチンと調べた訳じゃなく、総代さんがそう仰っていたという事のまた聞きですので、もし行かれる場合には確認して下さいね。

  2. onijii より:

    onijiiです。
    小林源太郎の彫刻の精緻さには驚かされますね!
    草木の一枚一枚まで丁寧に彫られていますね!!
    彫刻でここまで表現できるとは、神業ですね!!!

    かなり几帳面な方?自分とは大違いです。(笑)

    • 龍元 より:

      源太郎は細かいですからね!雲蝶の影響も少なからずあったのではないかと思います。

      ここは密閉覆屋で保存状態も良いですね。綺麗にしてもらえるなら、密閉ガラス窓の覆屋が一番良いのだと思います。

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