令和七年四月上旬 栃木県鹿沼市の大葦神社に参拝しました。

創建年不詳
御祭神 天御中主神 磐裂命 根裂命

拝殿の中には随身像がありました。

右大神。ここの為に作られたのではなく 何処かから持って来たのでしょう。

左大神。足が朽ちてしまってます。

覆屋の壁は全面格子状になっており 彩光も十分 御本殿の鑑賞に問題はありません。

立派な御本殿が鎮座していました。

向拝の龍。

脇障子のこの人は現場では西王母と思っていました。

が 良く見ると鵞鳥がいます。

これは劉女ですね。珍です。

劉女は支那汀州劉安上が女なり。九方羽人と道を談して得度す。時に忽ちにして一の白鵞あり空より降下す。劉女之に乗じて飛び去る。軒が詩に曰く白鵞乗去人何在。青鳥飛來信已遙雲谷等碩が筆あり (『画題辞典』斎藤隆三)

右面です。

胴羽目。これは何をしているのでしょう?

扇にお札の様な物を乗せています。

何か厳かな神事をしている様に見えます。

が 割とざっくばらんな くだけた感じもあります。

背面に彫り物は無かったので 左面に廻ります。

こちらの胴羽目には牛車が彫られていました。

牛車といえば 菅原道真を連想します。

ここが天神さまだったら それで決まり!としてしまうのですが。。。御由緒書きを見ても かつて天神さまだった様な感じはありません。

牛車の形には格があって この彫刻の牛車の様に屋根が唐破風の形に似ている車は 唐車とか唐廂車といって 上皇・摂政・関白などが晴れの舞台で使用する最上級の車だそうです。

となると やはり菅原道真は関係ないのでしょうか。
よく見ると胴羽目の上下が空いています。もしかして胴羽目は他所から持って来たのかも。

向拝の龍です。

左側脇障子は欠損です。

この日 鹿沼市では交通安全キャンペーンの様なものをやっていて 市中の至る所でボードを持った人が沢山立っていました。
この神社にも駐車場を埋め尽くすほど沢山の車と人がいたので 車を横付けして
「すいません この神社に参拝に来たんですけど。。。」
「ああ 神社ね ここから13kmくらい行くとね。。。」
「いや この神社 なんですけど ここに 車停めて良いですか?」
「????」
車を停めると別の人がやって来て
「桜でしょ 桜はあっち」
と道路の反対側を指差すので目をやると 立派な桜が咲き誇っています。
「いや この神社 に来たんですよ」
遠くからは
「この神社に来たんだって。。。」
「ええ!何のために?」
とヒソヒソ声が聞こえて来ましたが まあ そんなもんですよね。
皆さん 凄い物を見逃してますよ。13km先の古峯神社に劣らない立派な神社が ここにありますよ。
という感じで 弟子の彫鈴と私の彫刻廻り鹿沼の旅は始まったのでした。
刺青師・龍元
037(2025.05.20)
コメント