令和三年新年巡礼二十六社目。茨城県龍ヶ崎市の三峰神社に参拝しました。
境内は綺麗に整備されています。
文禄年間(1593-96)創建
御本殿覆屋にはガラス窓がありました。
御本殿は胴羽目・腰羽目・脇障子・妻飾りなど、彫り物満載です。
御本殿右面
妻飾りには松に鷹、二重虹梁間には龍の彫り物がありました。
胴羽目は鴻門の会・樊噲の門破り。項羽の企みを知った樊噲が劉邦を救うために酒宴の席へ乗り込む場面。知っている様に書いてますが、よくコメントを貰っている三国志研究家のKYOさんに昨日教えて頂きました。因みに時代は三国志よりずっと前の史記の時代です。
縁下組物間には唐獅子牡丹、その下には亀の彫り物。
脇障子は、口から分身を吐き出しているので鉄拐先生こと李鉄拐だと思います。ヨボヨボのお爺さんです。
御本殿左面
胴羽目・脇障子を除けば基本的には右面と同じです。
二重虹梁間には龍。
胴羽目は黄石公に沓を差し出す張良。この張良は劉邦の軍師だという事は最近知りました。鴻門の会にも出てきます。
縁下には唐獅子牡丹と亀。
脇障子は蝦蟇を担ぐ、蝦蟇仙人こと劉海蟾。
残念ながら背面には窓が無かったので見えませんでした。
素晴らしい彫り物でした。
刺青師・龍元
026(2021.02.16)
コメント
コメント書きかけ中に変な所をクリックしてしまったようで?2通飛んでいたらすいません。
黄石公と張良。馬も龍もいないパターンですね。最近龍元さんがアップされていたような?
竜ケ崎市の八坂神社の脇障子でした。KYO先生は中国系強いですね!!
KYOさんは中国系強いなんてレベルじゃありませんね。武器の形まで分析してますよ。
https://kyoudan.hatenablog.jp/entry/20191013/1570978782
最近、吉川英治の三国志を読んでいるのですが、二十四孝の陸績が出て来てビックリです。「オオ君は袁術の席上において、橘をふところに入れたという陸郎であるな」と孔明にやり込められます。
群馬の榛名神社双龍門にあった場面も全部出て来ました。三国志を読み終わったら、項羽と劉邦も読もうと思ってます。
onijiiです。
人物の表現が何ともいいですねえ。
特に脇障子はゾクッときます。(笑)
それにしても彫物でこれだけの表現が
できるとは凄い技量ですね!
このヨボヨボの鉄拐先生の表情は特に良いですね。
間近に見られないのが惜しいですが、境内にあった石碑によると、社殿の荒廃が進んでしまったので覆屋を建設した、と書いてあったので、社殿保護の為にはこれが最善かも知れませんね。窓をつけて下さった事に感謝しなければなりません。早い段階で対処された様で、彫り物の状態は悪くない様でした。
素晴らしい彫り物で、きっと名のある彫師の作だと思います。
こんにちは、Kyoです。
「樊噲の門破り」は乙川祭り(愛知県愛知県半田市)や掛川大祭(静岡県掛川市)をはじめとする祭りの山車を彩る彫刻の画題に採られることが多いのですが、恥ずかしながら今まで寺社彫刻では観たことがなく、初めて拝見できて嬉しさと驚きでいっぱいです。
いつもは余白が少ない空間にいる樊噲が、胴羽目部に広々とたたずむ姿は新鮮に感じました。
画像は乙川祭りの殿海道山源氏車 壇箱部の「樊噲の門破り」です。
https://pbs.twimg.com/media/DI80rt7VwAAjNsw?format=jpg
また拙記事の紹介と、お褒めくださりありがとうございます!
三国志の受容史の観点から寺社彫刻を巡っているのですが、ご紹介くださった武器であったり人物描写や表現などいつも疑問が相次ぎ、常にあれこれ考えさせられています。
>>>錺さん
ありがとうございます。先生は不要ですよ。
三国志畑の人間ですので、三国志や二十四考など中国史関連は分かるのですが、残念ながら日本史などは疎いです。龍元さんやみなさんの記事を拝見して、これはどの場面で人物は誰が描かれているのか等々…いつも多くのことを学ばせていただいてます!私にとってはみなさんが寺社彫刻の大先生ですよ。
画像ありがとうございます。樊噲は山車などに多い画題のようですね。山車や神輿はいつでも見られるという物じゃないので、私はあまり見た事がありません。
元々本業の刺青の勉強のために始めた寺社彫刻探求ですが、今ではすっかり虜です。KYOさんは三国志、錺さんは神輿、私は刺青師、と畑は違いますが、寺社彫刻が好きだという点で一致してますね。これからもよろしくお願いします。
乙川祭り は、私にとって特別な思いがあるお祭りです(まだ未訪問ですが)
愛車のスーパーカブで向かっている途中静岡県掛川市で後ろから車に追突され?
気が付いたら病院のベットでした。 関係の無い事ですいません。
その後も上を向くと眩暈がすると書いてましたね。
もうすっかり良いのですか?
バイクはコケれば必ず怪我をしますから気を付けてくださいね。もっとも、後ろから追突されたんじゃ気を付けようがありませんが。。。