竹田重三郎藤原守國の世界 [八剣神社] 千葉県

海辺での遊び 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和六年十一月上旬 千葉県習志野市の八剱神社に参拝しました。

八剱神社鳥居

創建年不詳
文化十三年(1816)本殿建立
彫師 竹田重三郎藤原守國 門人 忠八・半平良・喜平治・金治良・吉蔵
御祭神 日本武尊やまとたけるのみこと 速素盞嗚尊はやすさのおのみこと

八剱神社

御本殿は透塀で囲まれていて 御本殿拝観に問題はありません。

八剱神社御本殿

右面

胴羽目・腰羽目ともに 余白があります。これは結城住だった重三郎が遠方で仕事をする時に 居所で彫って 現地で寸法合わせをする為に採用した工法だそうです。

八剱神社御本殿

胴羽目は二十四孝から 楊香ようこうです。

楊香と父が山に行くと 虎が躍り出て来て 今にも2人を食べようとした。楊香が「私を食べて良いから父は助けて下さい」と祈ると虎は去り 父子共に命が助かった という話。

二十四孝 楊香

「楊香 今じゃ!ミラクル必殺パンチを繰り出すのじゃ!」

楊香の父

「ハイ お父様!」 

二十四孝 楊香

ズバーン‼︎

二十四孝 楊香

「ホゲー!!」

虎

腰羽目は七福神から。

七福神

左は米俵と弁財天。

弁財天

その隣は 背中に魚を背負っているので恵比寿さまでしょう。魚籠もあります。

恵比寿天

右は 片肌脱いだ大黒さま。小槌を腰に 扇子で拍子を取っています。

大黒天

これは大きい鯛です。

鯛

背面

縁下持ち送りは虎。割と珍です。

八剱神社御本殿

胴羽目は二十四孝から 郭巨かくきょ

極貧に喘ぐ郭巨は母を養う為に 口減らしに我が子を埋めようとした。すると黄金の(詰まった)釜が出て来た。これは天からの授かり物である という話。

二十四孝 郭巨

非常に長身の奥さんは ほぼ十頭身。

郭巨の奥さんと子供

まるで子供みたいな郭巨のサイズ感。ノミの夫婦ですね。

二十四孝 郭巨

釜の中身でなく 釜自体が発光しているので これは黄金の釜。

黄金の釜

腰羽目は 子供たちが海辺で遊んでいる様子です。

海辺での遊び

ここの前に参拝した子守神社では 唐子と書きましたが 竹田重三郎が彫る子供は 唐子とはちょっと違うのかなと思ったりします。

海辺での遊び

大事なところまで丁寧に彫られています。

海辺での遊び

おまたのところにも蛸がいます。

蛸と子供

左面

縁下持ち送りは兎。これも珍です。

八剱神社御本殿

胴羽目は二十四孝から 孟宗もうそう

病で床に伏せる筍好きの母の為 雪山で有る筈の無い筍を泣きながら掘っていると 筍が生えてきた。その孝行心に感じた天が孟宗に与えた物である という話。

二十四孝 孟宗

「アッハッハッハー 何あれー? 何であんな所にタケノコ生えてんの〜?」

娘さん?

お年頃の娘さんがいらっしゃったとは。。。介護と子育て ご苦労 お察しいたします。

二十四孝 孟宗

腰羽目は司馬温公瓶割。

司馬温公瓶割

司馬温公が子供の時 水の入った大瓶で遊んでいて中に落ちた友達を助ける為に 高価な大瓶を躊躇なく石で割った という話。

司馬光

まるで すべり台を滑る様に スルンと瓶から流れ出る友人。

司馬光の友人

瓶を押さえる友人。鹿爪らしい顔をしていますが あまり役に立ってない?

司馬光の友人

割愛しましたが 脇障子は鶏でした。

今回の千葉の旅では 三社で竹田重三郎の彫り物を拝観しましたが ここが一番の出来だった様に思います。

刺青師・龍元

095(2024.12.04)

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