令和三年新年巡礼十七社目、茨城県稲敷市の龍華山慈尊院安穏寺に参詣しました。
延暦二十四年(805)大杉神社の別当寺として創建
明治十一年(1878)本堂再建
正面千鳥破風には大黒天の彫り物があります。左側は大黒さまの使いの鼠と宝袋。
向拝。
唐破風下のこれは、布袋尊でしょうか。
水引虹梁上。今一つピンと来ないものがありますが、これは唐子の演奏という事で良いのかな?
各面三つずつ、梁上の斗栱間に十二支の彫り物がありました。
子の彫り物は見当たらなかったので、きっと正面扉上の扁額で隠れて見えないのだと思います。なので、正面左側の丑から。
本堂左面右端は寅。
真ん中は卯。毘沙門天風の武人が二本の矢を持っていますが、何か意味があるのでしょうか。
左端は辰。
背面右端は巳。蛇が小さくて最初は分からなかったですが、まあ順番に並んでいたので。
午。
未。「ヒツジって言いながらヤギがいたりするのは変だなぁ」なんて常日頃思っていたのですが、羊という字は中国では山羊や羚羊、ガゼルなども表し、今の日本でいうヒツジに限定して表す時には綿羊と表記するらしいです。という事はここにガゼルがいても良い事になります。
右面右端は申。なかなか太々しい顔つきの猿です。
真ん中は酉。頬杖をつく武人が暇そうです。
左端は戌。最初見た時は鼠だと思いました。
正面右端は亥。猪突猛進。
背面には扉を挟んで二枚の胴羽目彫刻がありました。こちらは右側。松の木と梅の木、その手前に笹っぽいのがあるんですが、松竹梅って訳ではない様な気がします。
というのは、左側の羽目板は松の木と笹と椿?だから。
私が写真を撮っている間、職人風の二人連れがやって来て「これって、あえて木目逆に使ってるって事?」みたいな話をしてました。宮大工が勉強の為に来てたのでしょうか。やっぱり木目って重要なんだろうな。
分散参拝が呼び掛けられる中でも隣の大杉神社は賑わっていた様ですが、こちらの寂れた彫り物を見学鑑賞する人はその職人風二人連れ以外には居ませんでした。
刺青師・龍元
017(2021.01.30)
コメント
onijiiです。
寺社巡りを始めた頃行きました。
隣の大杉神社が目当てでしたが、
多数の彫刻を見つけ喜びました。
劣化してくるといい味が出ますね。
蟇股は十二支だったのですね。(笑)
正面千鳥破風の大黒さんを見つけた時は嬉しかったですね。
高い位置にあって肉眼では中々見えません。
近付き過ぎると唐破風に隠れてしまうし。
お寺の彫り物は大きくて迫力が有りますね。