令和七年四月下旬 神奈川県横須賀市の叶神社に参拝しました。市内に叶神社は2社あり こちらは西叶神社とも言われます。

養和元年(1181)石清水八幡宮より勧請創建
天保十三年(1842)現社殿再建
彫師 後藤利兵衛義光
御祭神 誉田別尊 息長帯比売命

向拝の龍です。

龍の利兵衛と云われた 後藤利兵衛義光の龍です。

子引き龍です。

ほぼ丸彫り。

中備から飛び出す程に立体的な造形です。

公式サイトによると 後藤利兵衛の出世作にして最高傑作。

確かに 12年後に建立された横浜市の春日神社↓(1854建立)の 同じく利兵衛彫りの龍と比べると こちら叶神社の龍の方が凝った造形になっています。

でも 出世作が最高傑作というのは 職人としては避けたい所です。

もちろん彫刻の規模とか予算・納期などの関係もあると思いますし。。。

叶神社が自分の所を贔屓目に言うのは当然ですから 後藤利兵衛彫りの傑作は他所にも沢山あると思います。

繋虹梁上にも龍がありました。


右側の繋虹梁上の龍。


「安房國住人 後藤利兵衛
橘 光定 彫刻之」

下から見上げると 中備の龍の飛び出し具合が凄い事になっているのがわかります。

格天井の龍も有名。

扉には唐子遊びがありました。

扉は畳まれていたので2点しか確認できませんでしたが 計4点あるものと思われます。

残念ながら御本殿に胴羽目は無し。公式サイトによると 脇障子が保管されていて「玉巵弾琴」が彫られている様です。 脇障子は両側とも外されていますが サイトに載っているのは1点のみ。もう1点は欠損してしまったのかも知れません。

大瓶束には力神さまが鎮座していました。

私の分類では力士型。


左側大瓶束。



よく見ると 木目が違っているし色も違うので 木材を継いであるのがわかります。

後藤利兵衛の彫り物をたっぷり堪能できました。
刺青師・龍元
052(2025.07.31)
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