ここでも菊慈童に出逢いました [田原神社] 栃木県

菊慈童 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和七年四月上旬 栃木県鹿沼市の田原神社に参拝しました。

田原神社鳥居

この辺りに四社ある田原神社のうちの一つです。

田原神社

隣の公民館に駐車しました。

享和二年(1802)社殿再建
御祭神 田原忠綱命

田原神社

立派な御本殿が鎮座していました。

田原神社御本殿

左側脇障子。梅に鶯でしょう。

梅に鶯

向拝の龍。

向拝の龍

どこから見ても素晴らしい造形で 一流の彫師の作と思われます。

向拝の龍

木鼻の象。

木鼻 象

右側脇障子。紙垂に隠れてしまいましたが こちらにも鶯がいるのだと思います。

梅に鶯

ここに到着したのは4時半くらい。

田原神社御本殿

側面の格子窓はかなり高い位置にありました。

田原神社

4月上旬の4時半となると 覆屋の中はかなり暗めです。

田原神社御本殿

胴羽目は菊慈童。

菊慈童

慈童は穆王ぼくおうの寵愛を受けますが 官人の妬む所となり過失を嫁せられ深山幽谷に流刑になります。

菊慈童

哀れに感じた穆王は(仏を讃える詩)を与え 慈童は忘れないようにそれを菊の下葉に記しました。その菊の葉の露は谷の水に滴り 病気が治る霊泉となって麓の村へ流れました。

800年後 霊泉の調査にやって来た勅使は少年の姿をした慈童を発見します。慈童は菊の露を飲んで不老不死の仙人になっていたのです。

菊慈童
木鼻 唐獅子

背面に廻ります。

田原神社御本殿

胴羽目は波間を翔ぶ鶴です。

鶴

左面です。内側に額が掛かっていて 正面からは見られませんでした。

田原神社御本殿

胴羽目は亀です。背面と対になる様です。

亀

対にするなら左右にした方がバランスが良いのに と思いますが 何か他に理由があるのか そんな事は気にしないのが この業界の流儀なのか こんな組み合わせの御本殿を結構見かけます。

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ここの所 頻繁に菊慈童に出逢います。呼ばれているのかな?なんてね。

統計を取れば 地域的・年代的な傾向がわかるのかも知れません。

刺青師・龍元

044(2025.06.12)

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