令和六年五月中旬 埼玉県春日部市の天満宮に参拝しました。
飾り気の無い普通の拝殿です。
中を覗くと 立派な御本殿が鎮座しているのが見えました。
御本殿には透き屏に加えて 庇と屋根が掛けられていました。
中を覗くとこんな感じ。完全に覆われている訳ではないので この天気とこの時間帯の割には明るいです。
向拝です。
唐破風下には猩々がありました。
海老虹梁です。
浮き彫りの龍が彫られています。
脇障子は 尭帝に帝位を譲ろうと言われて 耳が穢れたと頴川で耳を洗う 許由。
単に断れば良いのに 川で耳を洗うなんて。。。僕が帝だったら激怒してます。
胴羽目は 林和靖の梅妻鶴子です。
北宋の高士にして詩人の林和靖。
杭州の西湖の孤山に庵を結び 二十年もの間 一歩もそこから出ずに詩作に興じたと伝わります。
来客があった時には 童子に鶴を放たせたと云います。
縁下にも彫り物があります。真ん中に柱がありますが 腰羽目自体は1枚ものです。
腰羽目左半分。唐子のメンコ遊びでしょうか?
右半分は 唐子の棋。
背面に廻ります。
胴羽目は司馬温公瓶割。
司馬温公が子供の時 友達と遊んでいて 水の入った大瓶に友達の一人が落ちてしまいました。
皆 どうしたら良いか分からず右往左往するばかり。
一人 司馬温公だけが 落ち着いて躊躇なく その高価な大瓶を石で割ったので
その友だちは助かりました。
父親は 司馬温公を叱るどころか褒め称え 命の大切さを教えました。
司馬温公がエライって話なのに 親父のくだりは余計だと思います。
腰羽目左側。火焔太鼓を叩く唐子。
琴を弾く唐子。
腰組の下に組んである柱は 元々の物でしょうか?初めて見た様な気がします。
左面胴羽目は李白観瀑。
唐代の大詩人 李太白。
四方に浮遊して自然の大観に接し 瀑布に臨みて詩懐を行いました。
李白や林逋に限らず 偉人には童子が付き物ですね。
諸葛亮や盧敖仙人などのところでも見かけます。
パイ投げやってるみたい。
腰羽目左側には 画を描いているらしき唐子。
右には書を読む唐子。三面で 唐子の琴棋書画になります。
左側脇障子は右側と対になる巣父。
許由が耳を洗った水を 牛に飲ませる事は出来ないと言って 来た道を引き返したと云います。牛は飲みたかった筈だと思います。
海老虹梁の龍。
左側から見た向拝。
唐破風下の猩々。
隣には立派な境内社がありました。
残念ながら胴羽目は無し。向拝には龍 脇障子には猛禽がありました。
見応え十分 素晴らしい神社でした。
刺青師・龍元
058(2024.06.28)
コメント