江戸時代後期の読本・児雷也豪傑譚話(1839-1868未完 美図垣笑顔 他)
姫松須磨太郎・美棹夫婦の子
幼名 捨松
あらすじ
姫松須磨太郎の妻・美棹は、夫と舅を殺した龍巻荒九郎を討つために旅をしていたが、やっと見つけた荒九郎に返り討ちにあってしまう。命からがら逃げた美棹は、いまわの際に通り掛かった 児雷也 に乳飲み子を託して息を引き取った。
実は龍巻荒九郎とは、黒姫山で児雷也の元から逃げ出した黒姫夜叉吾郎鬼角の変名であった。
児雷也が子供を捨松と名づけて養い始め、はや三年が過ぎた頃、龍巻荒九郎は無闇軍太左衛門と更に名を変え鎌倉管領の武術師範に収まっていたが、殺めた美棹の霊に悩まされ、不思議の病に苦しむ様になっていた。
荒九郎の命が長くない事を知った児雷也は、まだ幼い捨松を助けて仇打ちをさせる。
両親と祖父の仇討ちを果たした捨松はその後、美棹の兄、勇見之助に引き取られるが、七歳の時に不思議な術を使う修験者に拐われてしまった。
数年後、捨松は天狗の術を会得し、姫松力之助として突然帰って来る。大蛇丸と死闘を繰り広げている 児雷也 に加勢するが、児雷也と 綱手姫 は 大蛇丸 の放った伊蘭木の毒薬を浴びて生死の境を彷徨う事になってしまった。
力之助は養父・児雷也を救うために、伊蘭木の毒薬の解毒剤を取りに遥か彼方の天竺へ飛んで行く。
刺青師・龍元