刺青図柄の意味 綱手姫

刺青図柄の意味 綱手姫

綱手姫

江戸時代後期の読本・児雷也豪傑譚話(1839-1868未完 美図垣笑顔 他)に登場する妖術使い・児雷也 の妻。
召喚獣: 蛞蝓(ナメクジ)

百姓の娘、綱手は両親が亡くなり身寄りがなくなった所、越中立山の蛞蝓(かつゆ)仙人に仙術を伝授される。

偶然泊まった宿に忍び込んだ盗賊団をたった一人で捕まえたり、道すがら不良侍に絡まれている人を助けたりしながら、綱手は師に言われた通りに諸国巡礼の旅をしていた。

将来豪傑の妻となる運命を師に予言されていた綱手は、後に勇見之助によってその豪傑が児雷也である事を聞かされる。

「世に並びなき豪傑と必ず夫婦になる由あらん。今世に並びなき豪傑の聞こえあるは、汝の同姓、尾形周馬弘行なり。人あだ名して児雷也と呼びなす者は、世に超へて智勇優れしのみならず、すなはち蝦蟇の妖術を以て天下に横行なすと言へども、賊の汚名を被りたり。その方、これを知るやいかに」

と問へば、お綱はうち案じ、

「かねて蛞蝓老翁よりその事は聞き侍れど、縁ありとは告げ給はず。まだそのほかにも世に聞こえしお心あたりの侍るにや」(第十編) 

綱手は未来の夫となるべき豪傑を探して遍歴を続けた後に、児雷也と結ばれる。

勇婦綱手の大蛇退治
勇婦綱手の大蛇退治

児雷也は単独では宿敵・大蛇丸 に勝てず、綱手の助けで事なきを得る「市振浜の戦い(第十四編)」は三すくみを象徴する見せ場。

三すくみ図 児雷也豪傑物語第十二編
三すくみ図 児雷也豪傑物語第十二編 

三すくみとは

古来より日本では蛞蝓(ナメクジ)は蛇を溶かすと考えられていた。カエルはナメクジを食べ、ナメクジは蛇を溶かし、蛇はカエルを食べるので、動けなくなってしまう。ジャンケンの関係。平安時代の文献には「虫拳」の記述があり、カエル・ナメクジ・ヘビ の形でジャンケンをしていた。 人差し指が蛇、親指が蛙、小指がなめくじを表す。

虫拳
児雷也豪傑譚 第九編 上冊見返し 虫拳の挿絵

高木彬光の推理小説「刺青殺人事件」では児雷也・大蛇丸・綱手姫の三すくみが物語の重要なモチーフになっている。

刺青師・龍元

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