其の一からの続きです。
透塀欄間
御本殿を囲む透塀欄間にも彫り物がありました。
↓団扇を持っているので黄香だと思います。夏は父を扇いで涼しくして、冬は自分の体で父の布団を暖めた、という話。が、この後行った飯高神社にある呉猛がそっくりな構図なので、もしかしたら呉猛かも。
火鉢をメチャクチャ扇いで、炎が上がっている様に見えるんですが。。。親父が火傷しちゃうよ!
〜追記(2020.12.27)どうやら黄香は女性の様ですね。香は女の子の名前なのかな。なのでコレは裸になって親の代わりに蚊に刺され続けた呉猛の可能性大です。 追記終わり〜
↓大舜。継母と実の父親に殺されそうになりながらも親孝行したので、象と小鳥が畑仕事を手伝ってくれました。
ひどいな!顔は誰かに落書きされたのか?
↓姜詩。妻と二人で病身の母に仕え、毎日遠くまで水汲みと母の好物の魚を取りに行ってたが、ある日、家の横に川が流れ始めたので、水汲みと魚採りが楽になった、これも姜詩の行いが天に通じたのだろう、という話。
この人が病身の母なのかな。奥さんにしては年寄りに見えますからね。それとも、こちらが姜詩?
↓こちらはお馴染みの楊香。老父と山へ行ったら虎が出てきたので、楊香が「私を食べて父を助けて」と天に祈ったら虎は行ってしまった、という話。
ちょっとお父さんブザマ過ぎ。まあ、実際に山で虎に出くわしたら誰でも腰抜かすかもね。
↓蔡順。飢饉の時、熟れた桑の実を母へ、熟れてない桑の実を自分用にと選り分けていたら、それを見た盗賊が感動して米と牛の足をくれようとした、という話。
↓これは。。。江革でしょうか?賊に襲われ連れ去られそうになるが、老いた母を独り置いていけないと懇願して許してもらう、という話。江革は母をおぶっていたり、車に乗せてたりするもんだと思ってたのですが、これはひざまずいています。でも、26ある (゚Д゚;) 二十四孝のウチ それらしいのは江革しかありません。
左の人物が賊なのか?あまり悪そうな奴に見えない。もしかしたら、全然違う話かも。
↓全部二十四孝なのかと思ったら、いきなりここで唐子の重陽(菊の節句)。
↓二十四孝に戻ります。雷が鳴り出す度に、生前雷を怖がった母の墓に駆けつける母親思いの王裒。
↓またまた脱線、ここで司馬温公の甕割り。水の入った大きな甕に落っこちた友人を助ける為に、その高価な甕をためらいなく割った司馬光の話。
↓おや、脱線しっぱなしです。唐子の獅子舞。
↓また二十四孝に戻ります。幼い頃に生き別れになった母に会いたいと、職も妻子も捨てて、母を訪ねて三千里の朱壽昌。マルコは子供だから感動するのであって、いい歳した大人がこれでは困りますね。これは親孝行ではなくマザコンの話です。
でも、このヘタり具合、長旅の末やっと巡り合えた、という感じが良く出てますね。彫り物の出来は素晴らしい。
↓郭巨。老いた母を養うために口減らしに乳呑み子を埋めようとして穴を掘ると、黄金の釜を掘り当てる、という話。
もう犯行に着手しているので、これは殺人未遂です、有罪!
↓董永。父の葬式を出すために奴隷になる条件で借金をした董永の元に、天から織姫がやって来て布を織って借金を返済する。二人は愛し合うが、返済が終わると織姫は天に帰っていく。世界中にある羽衣天女伝説の一種。
織姫も悲しげです。
↓孟宗。タケノコが食べたいという母の為に筍掘りに山に来たが、真冬に筍が有る筈もなく、泣きながら掘っていたら、思いが天に通じて雪の下から筍が生えてきた、という話。スーパーに並んでるタケノコは、この孟宗竹のタケノコらしいです。どうでも良い事ですが、私の仕事道具は孟宗竹で出来ています。
竹の葉に積もる雪や筍の皮の感じも素晴らしい出来です。
↓祭壇の前で父の病気が治るように北斗七星に祈る庾黔婁。今までもチョイチョイ作風が違うな〜という彫り物が混ざっていましたが、これは明らかに他と違う人の作品ですね。ちょっとメルヘンチックな作風です。
ところで、星の形ってのは昔から世界共通なのでしょうか。案外これだけ新しい彫り物だったりして。。。
↓田真・田広・田慶兄弟。親の遺産を兄弟三人で平等に3等分しようと決めたので、庭の木も3等分しようとしたら枯れてしまい、切るのをやめると決めたら木が復活した、という話。いつの時代も相続問題は大変です。親孝行とはあまり関係ない話ですね。
腕が妙に長いです。っていうか関節が多いのか、腕がグニャリと曲がるのか、随分と芸術的な表現です。これも庾黔婁と同じ人の作品だと思います。
御本殿から怒涛の様に続く二十四孝。ダブっているのも有り、二十四孝以外の物も有りで、二十四孝からは御本殿合わせて15種類でした。
ああ、疲れた。
刺青師・龍元
285-02(2020.12.13)
コメント
onijiiです。
凄いボリュームですね!
二十四孝だけじゃなかったんですね!!
大変お疲れさまでした!!!
銅街道の調査を終えたら、気分転換に
行ってみたいと思います。(笑)
ぜひ行ってみてください。足を運ぶ価値は十分あります。裏手に駐車場があるので、上まで車で行けます。
実はこの後、二十四孝のもっと凄い所に行きました。2、3日中にアップします。お楽しみに。