令和七年五月中旬 群馬県前橋市の五社稲荷神社に参拝しました。

御由緒不詳の雨晒し吹きっ晒し 御本殿だけの小さな社殿ですが 扉から海老虹梁・胴羽目・脇障子と 彫刻びっしりです。

扉には波千鳥がありました。千鳥というには立派な鳥なので 錦鶏とか何かかも知れません。

扉脇板は鯉の滝登り。

両側とも登りです。

向拝中備は応龍。

この応龍には なぜか鱗がありません。

鱗を彫れない程小さいわけではないのですが。


海老虹梁の龍。

こちらはしっかり鱗が彫られていました。



脇障子は葡萄に栗鼠。実を沢山つける葡萄と子沢山と思われていた栗鼠の組み合わせは 子孫繁栄の吉祥図柄。

右胴羽目。


稲を荷った稲荷神。


支輪には 私が勝手に上州図柄と呼んでいる 扇流しがありました。群馬を中心に近県で散見される意匠です。



はたらけど はたらけど

猶わが生活楽にならざり

ぢつと手を見る

蝦蟇仙人の劉海蟾。

手を見ていたのではなく 虫の卵?を見ていた様です。


どなたでしょう?

鮎の串焼きの様なものを持っています。

こちらも どちら様?

狐面の様なものを棒の先に引っ掛け 肩に荷っています。

狐の生首の様に見えて 少し不気味。

何にしても稲荷に関係のある話かな と思います。


海老虹梁の龍。

鼻の周りのトゲが まるでチョビ髭の様。


小さいながらも 見応えのある神社でした。

刺青師・龍元
062(2025.09.25)


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