寺社彫刻巡り番外編 其の三 [ストラスブール大聖堂] フランス

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プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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6月末 タトゥコンベンションに参加する為にドイツのオッフェンブルクという所に行きました。

コンベンションが終わり 友人のドイツ人彫師のホルガーが 国境を越えた隣町のストラスブールに連れて行ってくれました。

ストラスブールの街並

ストラスブールは過去に ドイツ領になったりフランス領になったり。第二次世界大戦時には両陣営から象徴とされたり 2000年にはアルカイダが爆破計画を立てた事もあるそうで  色々曰くのある街ですね。

ストラスブールの街並

ストラスブールは街全体が世界遺産で とんがり屋根の建物がストラスブール大聖堂。ドイツ語ではシュトラースブルク大聖堂。

ストラスブール大聖堂

1176年着工(諸説あり)
1439年完成
高さ142m

とにかくその大きさに圧倒されます。142メートルというと43階建のビルに匹敵します。

15世紀にそんな高い物を建てるのも凄いけど 260年以上もかけて完成させるなんて ヨーロッパ人は気が長いなと思いましたが 修繕改築を重ねて今の姿になったのが1439年という事みたいです。もちろん その後も修繕改築を続けています。

ストラスブール大聖堂

入場無料(展望台有料)写真OK 脱帽 電話禁止 飲食禁止 ペット不可 と まあ常識的なルールですね。

ここは大丈夫でしたが ノースリーブ禁止 短パン・膝上スカート禁止なんて所もあるので注意が必要です。刺青はもちろんOKですね。

入り口から入ってすぐ 正面扉の裏側 身廊から本陣を望みます。

ストラスブール大聖堂 身廊から望む本堂

天井です。

シュトラースブルク大聖堂天井

パイプオルガン。躯体は1385年 機器は1981年に作られた物だそうです。

パイプオルガン

サン・モーリス祭壇画。サン・モーリスというのは殉教者で いろんな所に祀られている様です。

サン・モーリス祭壇画

本陣。

ストラスブール大聖堂内陣

ドームの丸い絵は 聖母戴冠。その下には12人いるのでキリストの12使徒という事でしょう(多分)。

聖母戴冠

天使の力神みたいな?

持ち送り

高さ18メートルの天文時計。時間が来ると上の人形が回ります。

高さ18メートルの天文時計

天文時計の前にあるのが 天使の柱。そこここに美しいステンドグラスがありますが 第二次大戦中はナチスに接収され隠匿されていた為 戦火を逃れたそうです。

天使の柱

キリストを抱くマリア象。

キリストを抱くマリア象

お約束のドクロ。

ドクロ

袖廊の天井。十文字にアーチ状になっているのは 交差ヴォールト架構といって 重さを分散させるためらしいです。

シュトラースブルク大聖堂側廊

交差部の前後左右にはいちいち お面がはめ込まれていて 面白いと思いました。

交差ヴォールト架構の面

説教壇正面には お約束の磔。

説教壇正面 十字架のキリスト

内部を堪能し 再び外へ出ました。

ストラスブール大聖堂

ヨーロッパの古い教会には 大抵 ガーゴイルと呼ばれる雨樋があって 怪物の形をしています。

ガーゴイル

こちらのガーゴイルは 偶蹄で角ありの馬面の怪物。まるで麒麟みたいです。

ガーゴイル
ガーゴイル

天文時計がある側の妻飾りには日時計がありました。

ストラスブール大聖堂

影はXII つまり12を指していますが この写真を撮ったのは午後1時48分。季節によって補正しなきゃいけないのかな?

日時計

ヨーロッパの古い建物は 重厚で覆い被さって来る様な迫力があって すっかり圧倒されてしまいました。

刺青師・龍元

(2025.07.10)

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