画題不明の欄間彫刻 [智徳寺観音堂] 群馬県

向拝の龍 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和六年九月上旬 群馬県沼田市の三光院智徳寺に参詣しました。

三光院智徳寺

正中元年(1324)創建
寛文四年(1664)観音堂を建立

お目当ては観音堂です。

智徳寺観音堂

向拝に見事な彫り物があります。

智徳寺観音堂向拝

唐破風下は盧敖ろこう仙人。

盧敖仙人

黄安仙人ともいいますが 元々は別々の仙人らしいです。

盧敖仙人

中備は子引き龍。

向拝の龍

立派な龍です。

向拝の龍

中備裏には銘がありました。「材木町  池勘 芝喜 秀順代納之」と彫ってあります。

材木町  池勘 芝喜 秀順代納之

木鼻の獅子です。阿形。

木鼻の獅子

吽形。

木鼻の獅子

扉上に欄間彫刻がありました。

智徳寺観音堂

左側の欄間。これは。。。何でしょね。

画題不明

橋の上に人物が二人。 内の一人が「我が尻を喰らえ」のポーズ(冗談です)

画題不明

建物の前で掃き掃除をしている人。

画題不明

姿格好から察するに 日本の方だと思います。

画題不明

銘札がありましたが 消えてしまったのか最初から無いのか 何も見えません。

銘札

反対側。

智徳寺観音堂

こちらも 何でしょね。

画題不明

左の人は旅装束で 左肩には何か担いでいる様子。

画題不明

「奥さん 良い魚入りましたよ」(冗談です)

画題不明

姉さん被りの女の人は 縄の様な物を手にしています。

画題不明

こちらの高貴そうな人は 扇子で顔を隠し お付きの人は鼓を打っていますね。

画題不明

こんな所で舞を舞ってる?

画題不明

追記(2024.010.01)これは三河万歳を表している様です。一魁斎さんにご教示いただきました。

もとは正月の祝福芸だが、現在は季節を問わず慶事の際などにも披露される。家の玄関先や門の辺りで舞ったり、一部には座敷に上がりこむことを許されていたグループもあった。基本的には太夫と才蔵の2人が1組となり、太夫は風折烏帽子に素襖(素袍)、才蔵は侍烏帽子か大黒頭巾に裁着袴たっつけばかまという衣装である。太夫は手に扇子か舞扇を持つ。

三河萬歳
Wikipedia 三河萬歳 より拝借

この板にも銘がありました。

銘札

○○○ 牛徳 束?来?門 て彫ってある様な。。。

銘札

まあ 三つ銘札があって それぞれ違うので 多分 寄進者でしょう。


う〜ん。。。欄間の画題については 何も分かりませんでした。どなたかご存知の方 ご教示ください。

刺青師・龍元

079(2024.09.29)

コメント

  1. 一魁斎 より:

    欄間の題材、自分も殆ど分かりません…。
    ただ、右側の方は1枚の左右で別の題材を配しているような感じがしますが、仮にその場合であれば向かって右側の方は銘板の横に門松があり、人物の組み合わせの感じから三河万歳の太夫と才蔵ではないかと思われます。

    • 一魁斎さん こんにちは
      なるほど、これは一枚に二つの題材なんですね。
      右の欄間の右側は三河万歳の太夫と才蔵ですか。分からなかったのでWikipediaを見たら、それらしい絵がありました。
      ご教示ありがとうございます。

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