令和三年一月、群馬県富岡市の成田山不動堂に参詣しました。ここは鏝絵で有名な所です。と言っても好事家の間で有名というだけで、他に参拝者はいません。
独特な感じの屋根です。
景観はともかくとして、これで建物が酸性雨から守られるのなら良い事です。
唐破風下の鏝絵。絵というより、もはや彫像。この時は、松の木にお婆さんなので高砂かと思っていましたが、、、
家で写真を見ると、鰐口の陰に酒甕があったので、これは猩々だと思います。
懸魚。頭に後光があるし、ここは不動堂なので多分仏教関係だと思います。服装からすると白衣観音なのですが、鶴に乗る観世音菩薩は管見の限り(←一度使ってみたかったです)見た事がありません。乗鶴観音とでもいうのでしょうか。全然見当違いだったりして。。。
正面左上の小壁。
鉄拐先生こと李鉄拐。
鉄拐先生の魂。
立て掛けてあった扉にも鏝絵がありました。
素手で虎を退治するといえば、二十四孝の楊香か水滸伝の行者・武松でしょう。これはどう見てもオジさんなので武松ですね。
刺青では国芳の武松が定番ですが、
ここでは北斎の武松が参照されたのだと思います。
左が水滸伝なので右側も水滸伝だとすると、蛇と関係がある人物には中箭虎・丁得孫というのがいます。
でも国芳の丁得孫は構図が随分違いますね。こちらも北斎版が参照されたのかも知れませんが、見つかりませんでした。北斎が丁得孫を描いているのかどうかも分かりません。
正面右上の小壁。損傷が激しいです。鉄拐先生の対には蝦蟇仙人の劉海蟾が描かれる事が多いそうですが。。。
中国四大奇書と言えば、三国志演義・水滸伝・西遊記と金瓶梅だそうです。
西遊記は小学生の時に読みました。ドリフの西遊記が流行ってましたから。中学生の時に父親に読めと水滸伝を渡されましたが、2冊目くらいで挫折しました。三国志はただいま読書中。金瓶梅という本は名前すら知りませんでした。
建物の側面にも素晴らしい鏝絵があったので、また次回に。
刺青師・龍元
036-01(2021.03.01)
コメント
onijiiです。
おお素晴らしい!
昔の職人さんは凄いですね!!
群馬の胴羽目探求の方から教わってました!!!
伊勢崎市昭和町の赤城神社は、胴羽目、脇障子、
小脇板全て鏝絵でした。驚きました。
いつの日か群馬の鏝絵巡りをしたいと思ってます。
行きたい所がありすぎて困ってます。(笑)
行きたい所が沢山あるというのは幸せな事ですよね。
私も今が1番幸せな時かも知れません。
鏝絵は現代にも職人が結構いる様ですね。検索するとジブリの鏝絵が出てきたりします。
こんにちは、Kyoです。
とても緻密で素晴らしい鏝絵の数々ですね!横から見た立体感と迫力は言葉になりません。
私も以前、猿田彦神社(群馬県渋川市)に鏝絵を鑑賞しに行ったのですが、目の細かい金網にすっぽりと覆われていて細部を見るのはもちろん、撮影もかなり骨が折れました。
https://kyoudan.hatenablog.jp/entry/20190922/1569156056
関西の寺社では寺社彫刻と同様に鏝絵細工をほとんど見ませんので、たくさんの画像を拝見できて気持ちがかなり昂りました!
コメントありがとうございます!
普段は鏝絵はついでといった感じなのですが、ここのは見応え抜群という評判を聞いて参詣しました。
猿田彦神社の記事は拝見しましたよ。参拝しようとリストに入れておりますが、渋川の手前にも沢山良い神社があるので、まだ先になりそうです。