令和七年 何処かの諏訪神社に参拝しました。諏訪神社 再訪 其の一 の続きです。

胴羽目には見事な彫刻があります。

胴羽目は宝珠投擲。

龍宮には干珠と満珠という 潮の干満を支配する宝珠があると伝わります。

伝承によると 朝鮮出兵の神託を受けた神功皇后の いわゆる三韓征伐の時 安曇磯良が龍宮に行き 干珠満珠を譲り受けて神功皇后に献上しました。

武内宿禰は 干珠と満珠を 船上より海に投げ入れて潮を操ります。

これにより新羅は戦わずにして降伏。

続いて 百済や高句麗も朝貢を約したと伝わります。

こうして神功皇后の三韓征討は成功を収めます。

木に半分めり込んだ従者。

脇障子は猛禽です。

背面です。

胴羽目は龍です。

風を起こし 雲を呼び

巨大な波を起こした龍は 一気に天へと昇ります。

左側脇障子の猛禽。

左面です。

胴羽目は雨乞い小町。

天下旱魃の際 勅命により小野小町が平安京の神泉苑で雨乞いの和歌を詠じて雨を祈った処 忽ちにして雨が降ったと言います。

「千早ふる神もみまさば立さわぎ天のとがはの樋口あけ給へ」

雨乞い小町に加えて 鸚鵡小町・関寺小町・卒都婆小町・通小町・草子洗小町・清水小町の七つで七小町。

元々は能楽の謡曲ですが 江戸時代には歌舞伎や浮世絵などに しばしばとりあげられたそうです。

雨乞い小町の刺青は 私もやった事があります。

個人的には 卒塔婆小町なんかも好きですね。

風雅な彫り物ですが 忘れられた様にひっそりと片隅に佇んでいます。


刺青師・龍元
021-02(2024.03.22)
コメント
onijiiです。
素晴らしい彫刻ですね。
人物の顔に見入ってしまいます。
小野小町以外は知りませんでした。
いつもトレランで行く「小町の館」
付近には、小町の墓や腰掛け石、
参拝したと伝わる北向観音があり
ます。
私は傘を差し掛ける従者の顔が特に好きです。
そんな謂れのある所があるのですね。
小野小町にも色々な伝説があって興味深いですね。