渡辺綱 茨木童子退治 肩額長袖がついに完成しました。

パンデミック以前から数年に渡り 遠路はるばるアメリカからコツコツと通ってくれました。

画題は「一条戻橋の鬼女」

頼光四天王筆頭 渡辺綱が茨木童子を退治する話です。

あらすじはこんな感じです。
ある晩、頼光の使いで源氏の宝刀「髭切の太刀」を借り受けた帰り道、一条戻橋に差し掛かる辺りで道に困っている女があった。綱が女を馬に乗せると、突然、女は鬼に変身し綱の髷に掴み掛かって来た。綱がすかさず宝刀「髭切」を抜き、その腕を切り落とすと、鬼はそのまま逃げて行った。

陰陽師の安倍晴明に相談すると
「その鬼は 茨木童子、必ず腕を取り返しにやって来るから、七日間家に閉じこもり物忌みをし、その間誰も家に入れない様に」
と言われた。

それから数日間、茨木童子は綱の屋敷に侵入しようとするが、綱の唱える仁王経と家中に貼った護符の力でどうしても入る事が出来なかった。

七日目の晩、養母が訪ねて来た。綱は扉越しに訳を話して来訪を断るが、年老いた養母に
「年老いた母がはるばるやって来たというのに、なんという仕打ちをするのじゃ、この親不孝者め」
と泣かれ、仕方なく家に招じ入れた。

「綱よ、鬼の腕を切り落としたそうじゃな、見せておくれ」
養母は鬼の腕を手に取り、しげしげと眺めていたが、突然鬼へと姿を変え、
「我は茨木童子、確かに腕は返して貰った」
と腕を持ったまま窓から逃げて行った。

もちろんステンシルなどは一切使わず 肌の凹凸や丸みを考慮しながらの手書きです。


因みに反対側の腕には 渡辺綱の主君・源頼光の酒呑童子退治が入っています。

酒呑童子とは茨木童子の兄貴分。夫とする説話もありますが 何にしろ 京都大江山に巣喰って 都の男女を攫っては喰らう事を生業としていた鬼たちの首領です。

刺青は 頼光たちが酒呑童子の首を切り落とした途端 童子の首が頼光の兜に食い付いた という場面。

最近は海外の人でも 日本の古典に詳しい人が多くなり 嬉しい限りです。
急ぐ必要はありません。少しずつでも諦めなければ 必ず仕上がります。
刺青師・龍元
