[甲波宿禰神社 其の一 拝殿]からの続きです
裏には御本殿が鎮座していました
海老虹梁は波間をくぐる鯉
波の感じが良いです
鯉はあまり目立たないというか 重要視されてないのか 上手くない人が多い様に思いますが これは波と言い 鯉の泳ぎ方と言い 非常に洗練された物を感じます
さて 問題の金網に守られた胴羽目です
一瞬 応神天皇誕生の神功皇后と思いましたが どうやら男性の鎧武者が座っている様です
袖や胴には細かい模様が彫られていますが 金網もあるし これはもう肉眼では見えません
さらに良く見ると 胴には笹竜胆紋があるので これは源氏の侍という事になります
こちらは武蔵坊弁慶ですね なので これは義経が由緒ある梅を手折るのを禁じる制札を弁慶に立てさせた『難波の梅』の一場面
脇障子も非常に見づらいですが 亀仙人の黄安が彫られている様です
背面です
右側脇障子の裏は鶴仙人
鶴仙人はいっぱいいますが 黄鶴仙人としておきます
胴羽目は黄石公と張良
「小僧!沓を落とした 拾ってきなさ〜い」
(くそジジイ ぶっ飛ばしたろか でも我慢ガマン)「ハイ先生どうぞ!沓です」
「見どころがあるの ホレ 兵法書をやろう」
左側脇障子の裏側は 笙を吹いて鳳凰を呼び寄せる 蕭史
左面です
脇障子には麒麟と女性がいます 以前は 孔子が産まれる際に麒麟が現れたという説話の麟吐玉書 としていましたが 西王母 の娘の 上元夫人の可能性もあるのでは? と思っています 〜追記(2022.07.20)上元夫人は西王母の娘ではなく、西王母の次に偉い女仙でした 追記終わり〜
胴羽目 こちらは正真正銘 応神天皇誕生です
神懸りした皇后からの託宣を無視したため 祟られて崩御した仲哀天皇に代わり 身重で三韓征伐を果たし 帰国後応神天皇を産んだ 神功皇后
産まれた子 応神天皇を可愛がる 武内宿禰
人物の表情が素晴らしく豊かで 名工中の名工の作品に違いないと思います。
〜追記(2022.08.28)師匠に頂いた資料によると 御本殿拝殿とも 彫師は武州本庄 武正上総之介源義春だそうです 追記終わり〜
金網さえ無ければ。。。
刺青師・龍元
090-02(2022.07.16)
コメント
ありゃ~、酷いですね、金網はまだ新しい感じですね?
彫刻を保護したい気持ちは理解しますが、何のために保護してるんでしょうね?保護する事が目的になっちゃっている様な気がします。
本当ですね。手段が目的化してしまってますね。
着物の柄とか人物の表情がホントに良いんですよ。金網さえ無ければと思いました。
onijiiです。
愛好家泣かせの金網です。
自分なら退散してますね。(笑)
甲波宿禰神社は3ヶ所あるのですね。
こちらに蛇の手水桶と、神輿の上の
風神雷神があるようです。(笑)
私は逆に燃える様になって来ました。以前は秘伝の七つ道具に熱中しましたが、最近は、こういう純粋に忍耐とカメラテクニックが必要な神社に情熱を掻き立てられます。もちろん金網が無いに越した事はないですが。
蛇と風神雷神はこちらでしたか。どちらにしろ記憶にございません。
甲波宿禰もかなりの難読社名ですね。