令和七年三月上旬 群馬県みどり市の木乃宮神社に参拝しました。

文化四年(1807)建造
彫師 星野甚内
御祭神 久々能智神

覆屋左面。上から下まで壁一面板張りです。

何とか中が見えないかと探したところ 小さな節穴を見つけました。

中の様子が見えます。

胴羽目は菊慈童。

過失を咎められて深山幽谷に流刑になった慈童は 穆王に与えられた偈(仏を讃える詩)を菊の下葉に記し その菊の葉の露を飲んで 不老不死の仙人になりました。

腰羽目は 唐子遊びの相撲。


左側脇障子は欠損です。


扉脇板の龍です。

向拝。

中備の龍です。

唐破風下には養老の滝がありました。

孝行息子の源丞内が足を滑らせ谷に落ちました。

そこには酒香のする滝があり その水を水筒に汲んで持ち帰って老父に飲ませると老父はすっかり若返りました。



扉脇の龍。トゲと毛があるタイプ。巻き毛ではなく直毛です。

こちら側には脇障子が残っています。

分かりづらいですが 右手に箒を持っている様に見えるので これは唐代風狂の僧 拾得ではないかと思います。多分 左側脇障子には巻物を持った寒山がいたのでしょう。

右面腰羽目は唐子遊びの凧上げ。

覆屋右面は壁一面ではありませんが かなり上まで波板が張られています。

なので上から。

二重虹梁間には龍の彫り物。

胴羽目は亀仙人 盧敖です。黄安ともいいますが 元々は別の仙人です。

覆屋背面も頭上遥か上まで板張り。上部から中を覗くと屋根しか見えません。

なんとか節穴から。胴羽目彫刻があるらしいという事は分かりますが これが限界でした。

素晴らしい御本殿でした。
刺青師・龍元
036(2025.05.15)
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