今まで何回か途中経過を書いて来ましたが、背中額彫りの昇り龍がついに完成しました。
背中額彫りというのは、背中一面に背景のある刺青を入れる事を言います。この額彫りには、部位によって決まった形があります。(詳しくは 額の形 をご参照ください)
アメリカンタトゥーなどでは腰のベルトの辺りで切ってしまったりしますが、日本伝統刺青では必ずお尻の下、裏腿まで行きます。
やっぱり腿の部分は長い方が重みというか安定感がありますね。
スジはマシン、ボカシは手彫りです。
スジというのは輪郭線の事を言います。
ボカシとは、一般的にはグラデーションの事を言いますが、刺青では黒や色を入れる事を言います。ベタボカシ、薄ボカシ、曙ボカシというのがあります。
途中何度かの中断があったので約5年半で完成に漕ぎ着けました。
中には10数年掛ける人もいますが、週一で通って8、9か月、月一だと3年ほどで仕上がります。
始めた頃はもう少し痩せていましたが、少し筋肉が付いた様です。
刺青を入れた後の体型の変化を気にする人がいますが、風船に書いた絵が膨らんでも変わらない様に、通常の体型の変化であれば絵柄には影響しません。
いつも刺青が仕上がると、嬉しい反面少し寂しくもあり裏腹です。このお客さんは引き続き腕に行くとの事。引き続き頑張って通ってください。
刺青師・龍元