表情豊かな彫り物 [八幡宮 光明院境内社] 千葉県
追記しました(2024.10.07)。始皇帝の暗殺に失敗した張良は下邳に身を潜めていた。
ある日、橋の袂を通りかかると汚い老人が靴を橋の下に放り投げた。
「おい若いの、下りて靴を取ってこい」
張良は殴りつけようかと思ったが、相手が老人なので我慢して靴を取って来た。
「その靴をはかせろ」
張良は「すでに拾ってきてやったんだから」と考え、老人に靴を履かせた。
「5日後の早朝ここに来い」
5日後の朝、日が出てから張良が行くと、老人は既に来ていた。
「目上の人間と約束しながら遅れるとは何事だ、帰れ。また5日後早朝に来い」
5日後、張良は夜中に家を出たが、既に老人は来ていた。
「遅れるとは何事だ、帰れ。あと5日したらもう一度早く来い」
次の5日後、張良は夜中から約束の場所で待った。しばらくして老人がやって来た。
老人は張良に一編の書物を渡し
「これを読めば王者の師となれる。」
授かった書は太公望の兵法書で、張良は不思議に思いながらもこの書を繰り返し誦読したという。
後に張良は軍師として劉邦の天下統一を助け、漢の三傑と呼ばれた。