令和六年五月中旬 千葉県野田市の昌福寺に参詣しました。
天長五年（828）創建
昭和三十四年（1959）江戸町の不動院と合併
御本尊 大日如来
お目当ては境内の不動堂。合寺により 江戸町の不動院から曳家工法で再建したそうです。
文化十五年（1818）頃 建立と推定
彫師 後藤安吾良常善
向拝です。
中備は司馬温公瓶割り。
司馬光が子供の時 水の入った大瓶で遊んでいて 友人が落ちた。
友達は慌てふためいたが 司馬光は躊躇なく高価な大瓶を石で割った というお話。
これが司馬光かな？
中備の裏には 彫工 東都 後藤安五良常善 と銘がありました。
堂宇正面扉脇右側の羽目板は張良。 秦末期から前漢初期の軍略家です。
劉邦に仕えて多くの作戦を立案し その覇業を大きく助けた とされます。
蕭何・韓信と共に漢の三傑と称されます。
扉の左側羽目板は 張良の師・黄石公。
自分の靴をわざと落として 張良にひろわせ「謙虚さこそが宝である」と言って太公望の兵法書を授けた伝説が有名です。
と 一言で言ってしまうと簡単ですが 見どころがあると言っておいて 来るのが遅い！とか 出直して来いとか 何度も沓を拾わせたりとか 非常にパワハラチックな師匠です。
現代日本では お師匠さんの方が通用しないでしょう。
左面にも二点の羽目板がありました。
右側は 鶴仙人の費長房。
鶴に乗り 巻物を広げます。
仙人を見上げる童子はのっぺらぼう。
左側は錦鶏でした。
扉上の鳥。耳があるので木兎かな？
上を見上げると 入母屋破風の奥に何かがいます。
力神さまです。
懸魚の影に隠れて 鎮座まします力神さま。顔はよく見えません。
もちろん右側にも鎮座まします。
こちらは顔が少し見えました。
こんな 良く見えもしない所に心血を注ぐ 変態職人魂を見せつけられた思いです。
堂宇右面の羽目板は 二点とも鳥。
錦鶏ですかね。
もう一点は猛禽。
これが雨ざらしだもんなぁ。
おまけ
境内に数ある石造物の一つに 鉄拐先生 幽体離脱の術 がありました。
刺青師・龍元
055（2024.06.11）
コメント