喜代姫狂乱と八岐大蛇退治 [飯玉神社] 群馬県

道成寺 神社仏閣
プロフィール

彫師歴三十余年。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和七年五月中旬 群馬県高崎市の飯玉神社に参拝しました。

飯玉神社鳥居

延暦三年(784)勧請
御祭神 宇気母智神うけもちのかみ

飯玉神社

唐破風上には道成寺の鏝絵?がありました。

道成寺

旅の僧に恋をしてしまった喜代姫(清姫)が 逃げる僧を追い掛ける内に 逆上して蛇になってしまうという話。

道成寺

しまいには 鐘に隠れた僧を焼き殺してしまいます。

道成寺

神社に道成寺があるのは ちょっと違和感がありますが 私的には大好きな話。刺青でも定番の図柄です。

飯玉神社拝殿向拝

兎ノ毛通しは応龍。

応龍

向拝の龍です。

向拝の龍
向拝の龍

正面扉脇には脇障子程の大きさの彫刻がありました。扉は只今修繕中。

飯玉神社正面扉

左右ともに猛禽捕猿です。

猛禽捕猿

猛禽に狙われた猿。「こりゃぁまいった」

猿

「早く逃げなきゃ」

猿

「弱肉強食」を表しているとされます。

猛禽捕猿

「猿が崖から落ちたところを救っている」「猛禽は仏さま 猿は人間を表している」などとも言われますが。。。

猿

鷹の爪が猿の口の中に食い込んでいる所を見ると これは弱肉強食でしょうね。

猿

拝殿の後ろには小さめの御本殿覆屋がありますが 御本殿に彫物はありません。

飯玉神社

脇障子は 須佐之男命八岐大蛇退治

須佐之男命八岐大蛇退治

須佐之男命は酒を八つの瓶に満たして待っていた。

須佐之男命

すると八岐大蛇がやって来て酒に頭を突っ込んで飲み干して泥酔してしまった。

八岐大蛇

その隙に須佐之男命は 大蛇を十拳剣とつかのつるぎで切り刻んで退治した。

須佐之男命

左側の脇障子は櫛名田比売くしなだひめ

櫛名田比売

八岐大蛇に食べられる筈だった 最後の娘です。

櫛名田比売

八つある筈の酒瓶は スペースの都合からか 六つしかありません。

酒瓶

まあ 八つある筈の頭は一つですからね。

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きちんと管理されている様で 境内は綺麗にされていました。胴羽目彫刻が無いのは残念でしたが 珍しい鏝絵?を鑑賞できたし なかなか見応えのある神社でした。

公式サイト 中尾総鎮守 飯玉神社

刺青師・龍元

059(2025.09.11)

コメント

  1. 小心 より:

    道成寺の鏝絵、珍しいですね。社寺巡りをしていると剥がれたままで修復されていない
    鏝絵をよく見かけます。
    こちらの鏝絵も形が残っているうちに見に行きたいです。

    スサノオの剣は折れてしまったんでしょうね、惜しいですね。

    • すっかり忘れてましたが、道成寺は新潟の西福寺にもありました。今のところ、2箇所です。

      鏝絵は耐久性に難ありですね。木の彫刻も、剣や鍬など細長い物は特に、立体感などの見た目と耐久性のどちらを優先するかのせめぎ合いですね。色々見てると彫師の工夫を発見したりします。

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