群馬県

本殿彫刻は、自性院観音堂境内にあった大銀杏の木を板にし、透彫りされた物です。彫刻を行ったのは日光の建造物の修復や建築、各地の神社仏閣の彫刻を業としていたとされる星野政八郎と福田助次郎であると、上棟の時の文書にその名前 が残っています。

道路側と本堂側・妻側には愛好家泣かせの鳥籠がはまっていますが、内側の冠木上の彫り物には網が掛かっておらず、岸亦八の流麗な彫り物を存分に堪能する事ができます。

県指定重要文化財にもなっている、快覚彫の十一面観音像が有名の様ですが、今回注目したいのは堂宇扉上の2点の欄間彫刻。他に向拝にも見事な子引き龍と亀に乗った仙人の彫り物があります。

寺社彫刻は 雨風や鳥糞に晒されてしまってますが　いつでも誰でも そこに行きさえすれば　何回でも何時間でも 色々な角度から鑑賞できるのが良い所です。追記あり（2024.10.29）

向拝に置かれた 躍動感のある見事な龍宮玉取姫の彫り物は、さまざまな角度から見応えがあります。追記あり（2024.10.29）

外陣にはぐるりと回された欄間に素晴らしい彫刻がありました。特に内外陣境欄間の十六羅漢は見応えがあります。追記あり（2024.09.20）

風雨に晒され程よく廃れた 彩色彫刻が施された欄間が見事です。海老虹梁の龍が有名ですが、唐破風棟鬼飾りの鬼面や唐破風下の鬼の力神も見逃せません。

飛騨内匠が木を彫って鶴を作ると 木鶴は空高く舞い　内匠はその木鶴に跨って唐を目指して西へ向かったと伝わります。

帝位の禅譲を拒否され続けた尭帝。半ば自信を失いながらも、二人の娘を付帯する事により、とうとう大舜に帝位を譲る事に成功します。

車を降りて歩くこと10数分。半分 岩屋の中に建てられた覆屋の中には 立派な御本殿が鎮座していました。

計四点ある胴羽目には日本神話に取材した見事な彫刻が施されていました。

老朽化のために改築が検討されていたそうですが、文化財的価値のある歴史的建造物だという事が専門家の調査で明らかになり、改修して大切に保存する方向で協議を始めたそうです。

榛名山榛名神社の御神霊をいただき当地の総鎮守として祭祀し火伏の神として又子供育成の神として崇敬され霊験あらたかなり（境内案内板より抜粋）

文明六年（1474）石清八幡宮の分霊を勧請　　元禄五年（1692）現本殿造営　　昭和六十二年（1987）現幣殿拝殿造営　　御祭神　品陀和気命

胴羽目三面で孔子と子路の物語を表している、と見当をつけていますが、なかなか画題解明には至りません。

完全密閉覆屋ですが、節穴や僅かな板の隙間から、中を窺う事ができました。

子ノ聖は昇天の折、「我、化縁につきぬれば寂光の本土に帰るべし。然れども、この山に跡を垂れて永く衆生を守らん。我登山の折、魔火のため腰と足を傷め悩めることあり。故に腰より下を病める者、一心に祈らば、その験を得せしめん」と誓いをたてた。以来、足腰守護の神仏として信仰されている。（Wikipediaより抜粋）

胴羽目にはなかなか良い感じのデフォルメ具合の唐獅子牡丹がありました。

龍の裏には「熊谷市彫刻師光治福島九五」と刻銘がありました。ググると福島光治という彫師がいた様ですが　昭和九年頃は名前と苗字を逆に名乗る習慣があったのでしょうか。九五というのも意味不明です。

彫刻満載の御本殿を気持ち悪いと感じる人がいる様ですが、この角度で見ると　まあ分からないでもない様な。。。壁から龍の頭がニョキニョキ生えていて、エイリアンの映画を思い出します。