砥切職工の氏神を祀る [砥山神社] 群馬県

砥山神社御本殿 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和三年三月、群馬県南牧村の砥山神社とやまじんじゃに参拝しました。

車が入れる道から少し階段を上ったところに鳥居がありました。

砥山神社鳥居

さらに階段を登ります。天気が良く清々しいです。きっとマイナスイオンたっぷりです。

砥山神社参道階段

ここら辺は昔は砥石で栄えた所で、この神社は砥切職工の氏神だったそうです。

砥山神社拝殿

御本殿。左右の絵馬がバスケのゴールみたい。

砥山神社御本殿

砥石を猿が発見したという伝説があるとか。。。あまりはっきりした事は分かりませんでした。

猿

手に持っている瓶は何でしょうか。

猿

唐破風下には宝珠。中備なかぞなえは龍です。

宝珠と龍

覆屋は大きくて光量も充分。写真には理想的な覆屋です。なりより、ごちゃごちゃと物が置いていないというのが良いです。物置同然の覆屋もありますからね。

砥山神社御本殿

右面胴羽目は梅妻鶴子の林和靖りんなせい。身舎の柱は金色に光っています。かつてはさぞかし豪奢な御本殿だった事でしょう。

梅妻鶴子

二重虹梁上には珍な物がありました。

砥山神社御本殿右側妻飾り

般若面です。般若面は女性の悲しみ・嫉妬・苦悶・怒りの四つの表情を表していると言われます。

般若面

非常に念がこもった面なので、ちょっと神社では異質な感じがしますね。

般若面

後ろの方へ回ります。

砥山神社御本殿

御本殿背面。

砥山神社御本殿

胴羽目は竹林の虎。若冲じゃくちゅうの虎を彷彿とさせます。

竹林の虎

御本殿左面。

砥山神社御本殿

胴羽目は李白観瀑です。

李白観瀑

左面妻飾り。

砥山神社御本殿左側妻飾り

こちらの般若面は右面に比べて、口を気持ち大きめに開けています。

般若面

アイ〜ン。

般若面

彩色は剥落してますが、良く手入れされていて良い感じです。

龍頭

清々しい雰囲気の中に般若の陰鬱さが調和していて、なんとも言えない味わいのある神社でした。

刺青師・龍元

054(2021.04.04)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    般若面や猿像がゾクゾクしますね!
    何とも怪しげな雰囲気ですね!!

    般若にはそのような意味があったのですか?
    ああ怖ろしや・・・。(笑)

    • 般若面は能の「道成寺」で使われる面ですね。
      旅の坊主の安珍に恋してしまった清姫が、報われない恋に可愛さ余って憎さ百倍、怒りと悲しみの果てに大蛇になって、安珍を焼き殺してしまう悲恋物語です。

      猿も結構不気味ですね。

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