刺青の楽しみ

ドンブリ総身彫り いろいろ
ドンブリ総身彫り
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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刺青は自己満足だ、他人に見せるモノではない等、人によって色々な考え方がありますが、やっぱりお金を掛けて痛い思いをして入れるわけですから、綺麗に見映えよく入れたいし、綺麗だ迫力があると人から褒められれば嬉しいものです。

天女

刺青の見映えは、まず何といっても大きさですね。大きい絵はそれだけで迫力があります。そして、小さな物をたくさん入れるより、1つの物を大きくドカンと入れる方が迫力があります。

私はいつもお客さんには大きく大きく勧めていますが、別にお金目当てで言っているのではありません。

昔、事務所周りをしていた頃、ど迫力の刺青を見た事があります。その刺青を入れていた人は身長2メーター近く、相撲取りの様に太っていて、背中一面、膝の裏近く迄、小学校高学年の子供位の大きさはあろうかという大きさの不動明王が入っていました。所々色が飛んでいたり、デッサンが少々崩れたりしていましたが、その迫力たるや鬼気迫るものがありました。

それでも入れる本人は中々踏ん切りが付かないもの。それは理解出来ます。予算もあれば、早く仕上げたいし、第一痛い。

でも、それは一時的な事です。終わってしまえば、もう少し大きくても良かったのではないか、と思えて来るから不思議です。

車いじりの好きな人が年がら年中車をいじる様に、刺青が仕上がって行く過程も楽しみの1つなのです。

刺青師・龍元

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