胴羽目の他にも良い彫り物が沢山あります 嶋村源蔵 飯田岩次郎 [川越氷川神社 其の二] 埼玉県

龍 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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川越氷川神社 其の一からの続きです。

3回目の訪問です。今回は朝6:30に到着して光量が足りず写真の写りがイマイチ。なので去年撮った写真も混ざっています。

川越氷川神社御本殿

木階下には乙姫様。

乙姫様

その隣、正面腰羽目には亀に乗る浦島太郎がありました。

浦島太郎

右面左腰羽目は天岩戸。胴羽目とは作風が違う気がする。。。岩次郎作なのかな?

天岩戸

右面右側腰羽目は三条小鍛冶宗近。稲荷神の化身である相槌が髭ヅラのイカついオッサンです。作った刀が「小狐丸」なので、僕の中では美少年という設定なんですが。

三条小鍛冶宗近

縁下持ち送りの獅子が可愛らしいです。

唐獅子

御本殿背面。

川越氷川神社御本殿背面

一番左の腰羽目。左の人は関羽だけど右はだれ?虎髭がないので張飛ではないし、劉備玄徳っぽくもない。関羽の側近の周倉か。でも、二人は同じ卓で飲んでるからやっぱり劉備なのかな。

関羽と張飛

〜追記(2021.09.28)関羽の横にいるのは周倉だそうです。いつもコメント頂いているonijiiさんがパンフレットで確認してくれました m(_ _)m

関羽の馬・赤兎馬は一日千里を走ります。関羽は赤兎馬の次に速く長距離を走る馬を周倉に与えましたが、これは一日九百里しか走れないので、関羽に一日百里づつ遅れてしまいます。崇拝する関羽に貰った馬を捨てる訳にもいかず、周倉は残りの百里を馬を担いで走ったと云います。周倉恐るべし。追記終わり〜

中央の腰羽目は布袋と唐子。

布袋と唐子

右の腰羽目は唐子の闘鶏。

唐子の闘鶏

御本殿右面です。

川越氷川神社御本殿

左の腰羽目は源為朝五人張りの弓。

為朝五人引きの弓

右側の腰羽目は俵藤太秀郷の大百足退治

俵藤太秀郷の大百足退治

正面腰羽目と木階下は神猿まさる

神猿
神猿

向拝の桁隠し。犀だと思い込んでましたが、よくみると背中は甲羅でなく鱗。ヒゲもあるし、これは麒麟かも。

犀

両側面の妻には龍がありました。

龍
龍

胴羽目上の斗栱間。右面には龍で、

龍

左面には虎がありました。

虎

手水舎の妻飾りの龍もかっこ良かったです。

手水舎
龍
龍

見どころが沢山ある神社でした。一見の価値有りです。

刺青師・龍元

116-02(2021.09.27)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    パンフレットは常時置いているものでは
    ないようです。
    県の指定文化財になっている彫刻なので、
    「説明書はありますか?」と。
    ガサガサ探していただきました。(笑)

    パンフには周倉と出てました。
    自分には全く分かりません。(笑)

    • これは周倉ですか。
      ご確認ありがとうございます m(_ _)m
      たまに廻縁に置いてあったりするパンフは、あれば必ず貰う様にしていますが、尋ねてみると言う事も必要なんですね。
      勉強になります ( ̄^ ̄)ゞ

  2. 教団 より:

    こんにちは、Kyoです。
    すでにご存知かと思いますが、氷川神社の本殿 腰回りの彫刻は、氷川祭りで登場する氏子十ヶ町の山車人形を主題とした彫刻が施されております。

    記事で触れられました三国志の彫刻に関してですが、数年前(2019年)までは関羽・劉備と認識されていました。現在では「関羽と周倉」と改められており、リーフレットでは「関羽と周倉が食卓を囲んで歓談している姿」と紹介されております。

    天保十五年(1844)に奉納されたとされる長谷川雪渓 画「氷川祭礼絵馬」では、彫刻の取材元である当時の山車十台が描かれており、そこに関羽・周倉の人形の姿も確認ができます。

    いつから周倉ではなく劉備に変わったのか、どのタイミングで周倉だと認識が戻ったのか気になっております…

    https://twitter.com/vitalize3k/status/1193350042863595520
    https://twitter.com/Vitalize3K/status/1193353724770390016

    • Kyoさんこんにちは、
      案内板やリーフレットには間違いがあったりしますが、
      傍証というか、脇からの検証も大切なんですね。
      以前どこかで、専門家は古文書や彫師・世話人のメモ書きの様な物まで調べる、と読んだ事があります。
      そうやって、少しずつ真実に近づいて行くのでしょう。
      う〜ん、奥が深いですね!

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