七福神 [中氷川神社] 埼玉県

牡丹に鸞 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年八月吉日、埼玉県所沢市の中氷川神社に参拝しました。

中氷川神社鳥居

長い参道を進みます。

参道

大宮の武蔵一宮氷川神社が本宮、ここが中宮、奥多摩の奥氷川神社が奥宮で、武蔵三氷川と呼ばれ、ほぼ一直線に並んでいるそうです。

中氷川神社拝殿

御由緒

崇神天皇年間(BC97~30)勧請
昭和二年(1927)現本殿造営
平成九年〜十一年(1997~99)拝殿改修
御祭神 素戔嗚命すさのおのみこと 稲田姫命いなだひめのみこと 大己貴命おおなむちのみこと 七社大神(山口貯水池の湖底に埋もれた旧勝楽寺村鎮座の七社神社を合祀)


拝殿向拝。彩色が残念な虎ですね。これでは彫師が怒るでしょう。最初は熊かと思いましたが、案内板には虎と書いてありました。

拝殿向拝

裏へ廻ります。

中氷川神社社殿

彫り物満載の御本殿。覆屋には細目金網が張ってありました。

中氷川神社御本殿

御本殿左面

胴羽目には福禄寿と弁財天。

福禄寿 弁財天

腰羽目には牡丹に鸞がありました。その下は水鳥。

牡丹に鸞

上部の彫り物。部分的に彩色されています。これは平成十一年の拝殿改修の時にやったものでしょうか。

御本殿右面上部

脇障子は虎仙人の董奉。虎をボディガードにしていて、一文も取らずに病人を治したそうです。

董奉

龍頭りゅうず。目が点になっています。『霊獣の目は蛇の目じゃのめが基本』と聞いた事がありますが。

龍頭

御本殿背面

胴羽目は左から大黒天・毘沙門天・恵比寿天。

大黒天 毘沙門天 恵比寿天

腰羽目は松鶴です。

松に鶴

御本殿右面

胴羽目は寿老人と布袋。

寿老人 布袋

腰羽目は山鵲かささぎでしょうか。

山鵲?

脇障子には李白観瀑が彫られていました。

李白観瀑

ここも地紋彫りが豪勢ですね。きっと100両や200両は掛かったのではないでしょうか。(⇦全く根拠ナシ)

向拝右側

ただ、拝殿向拝の虎といい、龍の目といい、彩色が残念ですね。手挟みの牡丹が真っ白なんて、色を塗る意味があるのでしょうか。

まあ、色は数十年経てば寂れて来ますからね。良い感じになるかも知れませんし、創建二千年以上の神社の歴史のほんの一瞬です。

刺青師・龍元

186(2020.09.03)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    あっと驚く彩色の神社をたまに見かけます。
    向拝、木鼻、胴羽目、脇障子などの彫刻全てが
    金色の神社には絶句しました!
    小学低学年の塗り絵みたいな所では唖然!!

    氏子さんたちの持ち物なので、とやかく言う
    筋合いではないのですが・・・。

    • 龍元 より:

      残念な所が有りますよね!
      氏子さん達の中にも「ええ〜ッコリャ無いっしょ!」って思ってる人は沢山居ると思います。
      塗り師が決めたのか、一部の改修実行委員会みたいな所の人が決めたのか、はたまた色数で値段が違うのか。。。
      でも、余計なお世話ですね。

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