視線を感じる [白鬚神社] 埼玉県

盧敖仙人 神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和二年八月吉日、埼玉県川越市の白鬚しらひげ神社に参拝しました。

白鬚神社鳥居
白鬚神社
白鬚神社拝殿

御由緒

霊亀年間(715−717)創建
安政二年(1855)現本殿造営と推定
御祭神 猿田彦大神


裏へ廻ると古い学校の校舎のような覆屋がありました。窓にはガラスが入っています。

白鬚神社

『御本殿の屋根は雨を受ける事を考えていない。当初から覆屋内にあった』と案内板にありましたが、なるほど、屋根が板葺きです。

白鬚神社御本殿

向拝柱の「龍」は随分と下にある様に思います。

向拝柱の龍

全体的に黒いです。そういう色の種類の木でしょうか。

御本殿左面

左面胴羽目は、玉巵ぎょくしの引く琴の音に龍が聞き惚れる「玉巵弾琴ぎょくしだんきん」。

玉巵弾琴

妻飾りは「飛龍」でした。

飛龍

脇障子は鯉に乗る「琴高きんこう仙人」。

琴高仙人

その裏面は「松と波」。なんて事のない構図に見えますが、この波の感じが良いと思います。

松と波

背中せなで吠えてる「唐獅子牡丹」の親子。

唐獅子牡丹

背面左側の脇障子はこれも「松に波」。

松と波

表側は「盧敖ろごう仙人」。こちらをじっと見ています。またの名を「黄安こうあん仙人」。

盧敖仙人

これは董奉とうほうに似ていますが、滝を見ているので「巨霊人これいじん」です。

巨霊人

妻飾りには「飛龍」、二重虹梁間には「龍」があります。

飛龍

良い神社でした。

刺青師・龍元

191(2020.09.08)

コメント

  1. より:

    今まで気になりませんでしたが、こっち(見る側)に視線が向いてる彫刻って珍しいのでは?
    怖いくらいの視線ですね。

  2. onijii より:

    onijiiです。
    確かに視線を感じますね!
    ここまでリアルな目を彫刻で表現するとは
    凄いですね!!

    全国津々浦々にある無数の神社。
    装飾彫刻で飾られた神社もおびただしい数。
    何十万、いや何百万人?もの彫師たち。
    空想は膨らむばかりです。(笑)

    • 龍元 より:

      この黄安仙人一枚に限って言えば、
      彫り物としてはあまり上手くない部類に入ると思うんですが、
      下手ウマというのか、
      妙に力を感じますね。

      胴羽目は普通に上手いですが。

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