鬼に守られた御本殿 [初鹿野諏訪神社 其の一] 山梨県

神社仏閣
プロフィール

彫師歴四半世紀余。東京六本木にて刺青芸術工房龍元洞を主宰。
日本のみならず、世界中で日本伝統刺青に注目が集まる中、世界の刺青大会に参加、北米・南米・欧州・豪州など各国の刺青師と交流。日本古来伝統の手彫りの技術の継承・研鑽とともに、日本文化の紹介にも力を注いでいます。

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令和三年十一月中旬、山梨県甲州市の初鹿野諏訪神社はじかのすわじんじゃに参拝しました。

随身門がありました。

左右どっちにあったか忘れてしまいましたが、見た目からいうとこちらが向かって左の右大臣。

向かって右には左大臣。

拝殿は四面の壁が格子状になっていて、随分と風通しが良さそうです。

創建年代不詳
江戸初期 現本殿建立(昭和52年大和村教育委員会案内板)
寛政五年(1793)現本殿再建(昭和59年山梨県教育委員会大和村教育委員会案内板)
延享元年(1744)現本殿再築(平成元年大和村教育委員会案内板)
大工棟梁 土橋文蔵
御祭神 建御名方神

案内板が三つあり、それぞれ本殿建築年が随分と違います。一番新しい案内板には延享元年(1744)再築となってますが、彫刻の感じからいうともうちょっと新しい様な気もします。少なくとも江戸初期は無いでしょう。

どの案内板も大工棟梁が土橋文蔵となっていました。土橋文蔵茂祇というのは甲州流と呼ばれる下山大工集団の人の様です。

近所の大善寺山門が寛政十年(1798)再建、ここの次に参拝した三嶋神社が文政年間(1818~31)再建で、共に土橋文蔵が大工棟梁とされているので、寛政五年(1793)再建説が一番ありそうです。

屋根が大きく非常に凝った作りになっています。

御本殿の上に鉄骨で組まれた屋根は雨を凌ぐ物ではなく、後ろの御神木の枝などから御本殿を護るための物の様です。御神木は倒壊の危険もあるのかな?

屋根には鬼面がありました。左側鬼板。

正面鬼板。

右面鬼板。

こちらは拝殿から覗いた右側脇障子。鍾馗さまですね。

鍾馗さまが踏んづけているのは。。。

鬼。やはり鬼は悪いヤツなのか。

鬼はゴメンなさいしているみたいです。

左側脇障子の裏面で小鬼がこの様子を見ていました。

大きな鬼に抱えられています。

まるでお母さんに抱えられた悪ガキ。

「ホラ、グズグズしないで‼︎早く逃げるよ!」

お母さんには見えませんが、親鬼なのでしょう。親鬼の角を掴む小鬼の手が可愛らしい。

案外楽しそうです。

他にも素晴らしい彫り物があって写真が多くなってしまったので2回に分けます。

初鹿野諏訪神社 其の二に続きます。

刺青師・龍元

156-1(2021.12.10)

コメント

  1. onijii より:

    onijiiです。
    うーん、素晴らしいの一言!
    鬼面に数匹の鬼、鬼好きにはたまらない
    神社ですね!!
    こちらは必ずいきたいです!!!(笑)

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